CX-60よりマイルドな乗り心地 新型 マツダCX-80へ試乗 日常的な充足感 選ぶなら3.3D?

公開 : 2024.09.30 19:05

マツダから新しい7座SUV登場 欧州のパワートレインは3.3 DマイルドHVか2.5 GプラグインHV 3列目も余裕ある車内空間 CX-60よりマイルドな乗り心地 日常的な充足感 英編集部が評価

欧州は3.3 DマイルドHVか2.5 GプラグインHV

世界的な電動化の流れにあって、我が道を行く日本のマツダ。ディーゼルエンジンを積んだ7シーターSUV、CX-80が欧州へやってくる。

マツダは、昔から少し変わったクルマを提供してきた。1960年代には、パスファインダーXV-1という、ランドローバー・シリーズ1を真似たオフローダーを作っていた。現在のミャンマーにあった工場で生産され、複数の政府へ納車されている。

マツダCX-80 3.3 e-スカイアクティブD タクミ(欧州仕様)
マツダCX-80 3.3 e-スカイアクティブD タクミ(欧州仕様)

パークウェイ26という、マイクロバスも考案された。定員25名、車重約3tある小型のバスを、ロータリーエンジンで走らせるという内容だった。パワーが足りず、エアコン用に1.0Lのピストンエンジンも搭載されていた。生産数は、44台に留まった。

独自路線を貫くブランドは今、石油依存からの脱却という変化を、どう受け止めているのだろう。マイルド・ハイブリッドとはいえ、今回試乗したCX-80のエンジンは、直列6気筒の3.3Lとかなりのサイズ。CX-60にも積まれるユニットだ。

最高出力は254ps。CO2の排出量は、148g/kmがうたわれる。

ただし、CX-80には17.8kWhの駆動用バッテリーと2.5Lガソリンエンジンが組み合わされた、プラグイン・ハイブリッドも用意される。こちらのCO2量は、カタログ上では36g/kmに抑えられている。

3列目でも余裕ある車内空間 上質な内装

CX-60は、リアサスペンションの影響か、乗り心地が褒めにくかった。しかし操縦性は素晴らしく、インテリアは上質。ディーゼルエンジンも好印象だった。排気量の割にパワーは低めながら、高効率で扱いやすかった。

CX-80は、それを拡大した兄弟モデルといっていい。走りの質感を改善するため、多くの改良が施されているという。その仕上がりを、公道で確かめてみよう。

マツダCX-80 3.3 e-スカイアクティブD タクミ(欧州仕様)
マツダCX-80 3.3 e-スカイアクティブD タクミ(欧州仕様)

まずは車内から。ホイールベースは2列シートのCX-60から250mm伸ばされ、3列目にも充分な空間が与えられている。広いとはいえないが、大人でも上下方向は問題ない。USB-Cポートもある。実はこのホイールベースは、BMW X7より長い。

欧州仕様では、2列目をベンチシートではなく、独立したキャプテンシートにすることも可能。前後へ120mmスライドし、後ろへ下げれば高身長な大人でもゆったり座れる。

内装は魅力的。欧州のトップグレード、タクミを指定すると、少し前のレクサスへ迫るような上質な仕立てになる。ダッシュボードはクロスで覆われ、落ち着いたトーンのメタルやウッドの化粧トリムが、優雅な雰囲気を生み出す。

エントリーグレードでも、カラーはダーク基調になるが、レザー内装が奢られる。それ以外の素材は、若干質が落ちるけれど。

運転席の人間工学は良好。実際に押せるハードボタンが多く残され、運転中でもエアコンの調整は簡単。一定以上の操作ならクルマを停めるべきだが、インフォテインメント・システムも同様だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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