エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 前編
公開 : 2024.10.27 18:05
BMW M3
ほぼ例外なく、すべてのM3は、特別なエンジンによって標準の3シリーズとはまったく異なるキャラクターに仕上がっている。特に、2007年から2013年にかけて販売されたモデルは、4.0L(GTSでは4.4L)の「S65型」V8エンジンが素晴らしい働きを見せている。
S65型は数々の受賞歴がある優れたユニットで、この世代のM3ではベース仕様として初めて最高出力400psを超えた。過去にもM3にV8エンジンが搭載されたこともあるが、ごく少数のモデルに限られた。すべてのモデルで使用されたのはS65型が初めてだ。
キャデラックCT6
CT6といえば、フルサイズの高級セダンである。その高性能バージョンがCT6-Vで、最高出力558psの4.2L V8エンジン、通称「ブラックウィング」がもたらすパフォーマンスは非常に印象的なものである。また、CT6プラチナムにも最高出力500psのエンジンが搭載された。
これらは2019年のモデルイヤーのみ販売された。その後まもなく、販売不振と、デトロイト・ハムトラック工場がEV生産に切り替わることもあり、CT6は生産中止となった。ブラックウィングの名称は、CT4とCT5の高性能バージョンにも使用されているが、いずれも名前だけで、ブラックウィング・エンジンは搭載されていない。
シボレー・コルベット
コルベットは歴史上最も人気の高いスポーツカーの1つであり、1953年発売の直6エンジンを搭載した初代モデルがまったく売れなかったというのは、今となっては不思議な話だ。1955年、シボレーの4.3Lの「スモールブロック」V8が導入され、排気量は後に4.6L、さらに5.4Lへと拡大された。
このエンジンは、まさに米国国民が待ち望んでいたものであった。コルベットの販売台数を飛躍的に伸ばし、結局1962年まで生産され続けた。これがなければ、コルベットは早い段階で見切りをつけられたかもしれない。60年経った今でもコルベットは健在で、最新世代も変わらずV8エンジンを搭載している。
ダッジ・チャレンジャー
昨年生産終了した第3世代のチャレンジャーでは、非常にパワフルで驚異的なバージョンがいくつも販売されていた。その中でも、2018年モデルイヤーのみ販売されたSRTデーモンは群を抜いている。
スーパーチャージャー付き6.2L V8エンジンは、公道走行可能なダッジ車、ひいてはクライスラー車に搭載されたエンジンとしては史上最強のユニットである。オクタン価91のレギュラーガソリンで最高出力808psを発生するが、オプションの「デーモン・クレート」パッケージとオクタン価100のレース用燃料を使用すると、840psまでパワーアップする。