エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 前編

公開 : 2024.10.27 18:05

ホンダシビック・タイプR

シビック・タイプRは2001年以降、自然吸気の2.0Lエンジンを使用してきた。驚異的なパワーと8000rpmを超える高回転域での性能、そして革新的な可変バルブタイミング機構「VTEC」による効率性とスポーツ性の両立など、さまざまな特徴を備えている。

しかし、2015年にターボチャージャーが追加されたことで、状況は大きく変わる。エンジン回転数は比較的控えめな7000rpm前後に制限されたが、中速域のパワーが大幅に向上し、最高出力は310psに跳ね上がった。その後も改良が加えられ、最新モデルでは330psに引き上げられた。

ホンダ・シビック・タイプR
ホンダ・シビック・タイプR

ランチア・テーマ

1984年に登場したランチア・テーマ(Lancia Thema)は、アルファ・ロメオ164、フィアット・クロマ、サーブ9000と同じプラットフォームを採用した高級セダンだ。発売から2年後、エンジンの気筒数とバルブ数にちなんで「8.32」と名付けられた高性能バージョンが追加された。

排気量2.9Lと、テーマに用意されたエンジンの中では最大というわけではなかったが、出力は最強だった。フェラーリのディーノV8エンジンから派生した由緒正しきユニットで、アルファ・ロメオの3.0L V6を40ps上回る最高出力215psを発生。兄弟車のトップ争いを制したのである。

ランチア・テーマ
ランチア・テーマ

ロータス・ヨーロッパ

1965年に発表されたヨーロッパ(Europa)は、ミドエンジン方式を採用した市販スポーツカーとしてはごく初期の1台だ。従来のフォード製ドライブトレインではなく、当初はルノー16の「クレオンアルー」エンジンとトランスアクスルを搭載していた。

このトランスアクスルは生産終了時まで使われ続けたが、エンジンは途中でフォードベースの「ツインカム」に変更された。これにより、最終的に最高出力は126psまで向上し、当初よりはるかに高い加速性能を獲得した。

ロータス・エウロパ
ロータス・エウロパ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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