1.2Lハイブリッド登場 プジョー5008へ試乗 大人も許容する3列目 家族の要望を満たす新世代

公開 : 2024.10.14 19:05

3代目プジョー5008に1.2Lハイブリッド登場 大人も許容する3列目に余裕ある荷室 動力性能は満員時には物足りないかも? 操縦性は素晴らしい ニーズを満たす実力派だと英編集部は評価

シャープでバランスの良い3代目5008の容姿

バッテリーEV版が先行していた新型プジョー5008だが、1.2Lハイブリッドも英国へ上陸。プラグイン・ハイブリッドも2025年に登場予定で、7シーターSUVとしてプジョーが抱く期待は大きい。

近年の欧州では、ワンボックスのMPVは下火傾向。SUVがそのユーザーを補完しており、英国ではダチアキアヒョンデといった銘柄のモデルが売れている。5008は、そこへ食い込むことが狙われている。

プジョー5008 ハイブリット(英国仕様)
プジョー5008 ハイブリット(英国仕様)

プジョーが5008の強みとするのが、開放的で実用的な車内空間と、ハンサムなスタイリング、優れた操縦性や動的能力、エネルギー効率など。果たして、主張どおりなのか試乗で確かめてみよう。

少し野暮ったい雰囲気の初代だったが、2代目で大胆に刷新。この3代目では、さらにスタイリッシュな容姿を得ている。シャープなライン構成で、ルーフの長い箱型ボディが、バランス良く仕上がっている。

プラットフォームは、プジョー3008も採用する、ステランティス・グループのSTLAミディアム。全長は4790mm、全幅が1890mm、全高が1690mmというサイズだ。英国では7シーターのみの設定だが、一部の市場には5シーターも用意される。

ドアを開くと、広々とした車内空間が出現。大きなモニターと上質なインテリアに、目が奪われる。エアコンは3ゾーン。アンビエントライトやバックカメラなど、装備も充実している。

大人も許容する3列目 余裕のある荷室

2名がけの3列目は、身長180cm程度までなら窮屈ではない。スライド式の2列目を後ろに寄せない限り、膝前にも余裕はある。2列目のシート下につま先を入れられ、姿勢も快適。エアコンの送風口やSUBポートはない。

2列目は、中央の席がやや犠牲になっているが、両サイドの快適性は高い。シートは座り心地に優れ、前後方向のゆとりも充分。パノラミック・サンルーフを組んでも、フレームの圧迫感はない。ISOFIXのチャイルドシート金具は、外側の2脚へ備わる。

プジョー5008 ハイブリット(英国仕様)
プジョー5008 ハイブリット(英国仕様)

運転席側は、ペダルの配置がやや窮屈かも。ブレーキペダルの位置が手前すぎ、右足を高めに持ち上げることになる。

運転姿勢は、プジョー特有のもの。小さなステアリングホイールが低い位置にあり、賛否は分かれるだろう。筆者は、操舵しやすいように感じる。

内装の素材は上質でありつつ、ファミリーユースへ耐える堅牢さも漂う。ダッシュボードを覆うグレーのクロスは肌触りが良く、そこから立ち上がるインフォテインメント用とメーター用、各21インチのワイドなモニターパネルがカッコいい。

荷室容量は、3列目を使った状態で348L。たたむと916Lへ広がる。

インフォテインメント・システムは、トップ画面の項目が多く目移りするものの、グラフィックはクリアで反応は良好。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、標準で対応する。

モニターパネルの下には、カーナビやエアコン、運転支援システムなどのショートカットが用意されている。位置を覚えれば、素早く操作できそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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