【待望のラインナップ】セレナe-POWER車に4WD追加 日産自慢の「e-4ORCE」搭載

公開 : 2024.10.03 10:00

「雪道に強い」から「雪道が楽」へ

筆者も実際に雪道でエクストレイルアリアのe-4ORCEに試乗したことがあるが、これまでの4WDを大きく上回るものであった衝撃を覚えている。

通常、雪道などの低ミュー路であれば、車両の挙動を予測しながら、挙動変化を避けたりホイールスピンを避けたりするためにステアリングや各種ペダル操作を丁寧に行う必要があった。それは、想定以上に車両を滑らせないため、そして滑った後でも車両をコントロール下に置くことが目的だ。

エクストレイルやアリアで採用されているe-4ORCE。これがセレナに採用されることは、「雪道が楽」なミニバンの誕生と言える。
エクストレイルやアリアで採用されているe-4ORCE。これがセレナに採用されることは、「雪道が楽」なミニバンの誕生と言える。    日産

しかし、前後のモーターとブレーキを統合制御してくれるe-4ORCEならば、ドライバーが気を遣う必要が一気に減る。発進時に2WDのセレナe-POWERでラフにアクセルを踏むとホイールスピンをしながら進むシチュエーションでも、e-4ORCEならばラフなスロットル操作でも何事も無く、ドライバー側の気遣いは普通のウエット路面のような感覚で発進していったのを覚えている。

それはコーナーでも同じだ。ステアリング操作や荷重操作に繊細になる必要がなく、ある程度ラフな操作でも、クルマが上手く処理をしてくれて、路面へ適切に操作を伝えてくれる感触であった。

これまで4WDと言えば『雪道に強い』という印象であったが、e-4ORCEはその上をいく『雪道が楽』と感じさせる走行フィーリング。そんなe-4ORCEがセレナに追加されるのは、家族との移動がより安全で快適に、そして疲れないものになるということだ。ファミリーカーとしてこれ以上望ましい進化はないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川昇吾

    1997年、富士スピードウェイのほど近くに生まれる。必然的に、モータースポーツとともに幼少期を過ごす。当時愛読した自動車雑誌の記憶に突き動かされ、大学時代から自動車ライターとして活動を開始。卒業後、動画系の自動車媒体に所属したのちフリーとして独立。地元の地の利を生かし、愛車のNBロードスターでのサーキット走行や、多彩なカテゴリーでのレース参戦を積極的にこなす、血気盛んな若手モータージャーナリスト。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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