コルサで小さな自動車博物館を巡る(2) 軽快感が強い非ハイブリッド 英国車の歴史に触れる旅

公開 : 2024.10.19 09:46

英国で堅調に売れ続けるコルサで、小さな自動車博物館を巡る旅 自分にとって当たり前すぎる存在 コンパクトカーの楽しさを改めて実感 読者も英国旅行の際に訪問してみては?

小さなクルマの博物館が必要だと決断・実行

最新のコンパクトカーは、静かで快適になった。ヴォグゾールオペル)・コルサは乗り心地に優れ、安定性も高い。ハイブリッドで、高速道路を巡航させると18.0km/L近い燃費を得られる。

インテリアの仕上げも素晴らしい。ただし、ステアリングホイールは少し遠すぎて、ペダルは近すぎるかも。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)

恐らくこれは、コルサがステランティス・グループのCMPプラットフォームをベースにしているから。プジョーのiコクピット・レイアウトは、メーターパネルの位置が高く、ステアリングホイールが低い。これが影響しているのだと思う。

コルサでは、メーターとステアリングホイールの位置関係は一般的なもの。設計に、少しの妥協があるのだろう。同行したカメラマンのジャック・ハリソンも、同じように感じていると話していた。

2日目の朝に向かったのは、グレートブリテン島中東部、ランリックにあるバブルカー博物館。筆者を歓迎してくれたのは、ポーラ・クーパー氏だ。

彼女は夫とともに、シトロエン2CVに関するビジネスを営んでいたが、小さなクルマの博物館が英国には必要だと決断。行動へ移した。

古いマイクロカーやバブルカー以外の展示品も多い。むしろ、乗り物だけに限らない。入念に整理されているが、ピカピカのコンクール・コンディションというわけではなく、適度にヤレた感じ。クルマは、すべて走行可能な状態にあるという。

軽快感が強い非ハイブリッドのコルサ

15ポンド(約3000円)払えば、15分乗って楽しめるクルマもある。入場料と乗車体験、館内での紅茶とケーキがセットになった、ギフト券も売っている。価格は22ポンド(約4200円)。クルマ好きな友人へのプレゼントとして、最適といっていい。

話は変わるが、ここは英国空軍のコニングスビー基地に近い。朝食を食べている間にも、頻繁に三角形のユーロファイター・タイフーン戦闘機が飛来していた。その勇姿を眺めたい方にも、このエリアはオススメだ。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)

コルサは運転が楽しい。ロンドン近郊では渋滞するような時間帯でも、郊外の道は快調にクルマが流れている。政治家は、交通政策や自動車税に関しての発言は多い。クルマ文化やクラシックカーの博物館に対しても、もっと関心を示して欲しいものだ。

次の目的地へ向かう途中、ハリソンが所有するマニュアルのコルサへ試乗してみる。彼は乗り心地がイイと話していたが、その通りだった。お借りしているハイブリッドのコルサも良い感じだが、車重は10%も軽いから、更に軽快感が強い。

英国価格は、3000ポンド(約58万円)ほど安い。燃費もカタログ値で18.9km/Lと、大差はないようだ。

ハイブリッドのコルサへ戻り、辿り着いたのはグレートブリテン島中部のダービーシャー州。路肩の石垣はグレーで、景色は少し荒涼としている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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