コルサで小さな自動車博物館を巡る(2) 軽快感が強い非ハイブリッド 英国車の歴史に触れる旅

公開 : 2024.10.19 09:46

英国車の錚々たる歴史 実際に運転できる展示車も

ここには筆者の友人の1人、リチャード・アッシャー氏が創設した、グレート・ブリティッシュ・カー・ジャーニー博物館がある。自動車ガラスの修理サービスで得た財産をもとに、2015年5月にオープンした場所だ。

展示車両は150台近くあり、その大半を彼が所有している。相当に価値があるクルマも含めて。

グレート・ブリティッシュ・カー・ジャーニー博物館の様子
グレート・ブリティッシュ・カー・ジャーニー博物館の様子

これまでの3か所と比較すると、ここはしっかり「博物館」している。訪問者には、ヘッドセット付きの音声ガイド用タブレットが配られる。英国車の錚々たる歴史が、9つのチャプターで紹介されている。

展示されているクルマの多くは素晴らしい。しかし、一部にはそうではないモデルもある。「こんな酷いクルマを作った歴史を持つ国は、英国だけかもしれませんね」。ハリソンが苦笑いする。まあ、筆者も強くは否定しない。

とはいえ、英国車に対する自負を抱ける。ブリストルジャガーロータスTVRなど、展示はかなりの見応えがある。今でも、英国が優れたクルマを作り続けていることを、再確認させてもらった。ゆっくり見学すれば、半日以上は過ごせるだろう。

面白いと思ったのが、「父のクルマを運転してみる」という体験。博物館が収蔵する50台以上のクラシックカーを、実際に借りて運転できるそうだ。自分の父が本当は乗っていなくても、興味を持った1台へ試乗することもできる。

なんと充実した2日間だったのだろう。コルサはやっぱり良いクルマだった。次の土曜日が来たら、早起きして、もう1度どこかの自動車博物館を訪れたい。プライベートで。

ヴォグゾールオペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)のスペック

英国価格:2万5280ポンド(約485万円)
全長:4060mm
全幅:1765mm
全高:1433mm
最高速度:186km/h
0-100km/h加速:10.7秒
燃費:22.2km/L
CO2排出量:104g/km
車両重量:1267kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:100ps/5500rpm
最大トルク:20.8kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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