ポルシェ911はターボに、ケイマン、ボクスターには2.0ℓフラット4
公開 : 2015.01.21 22:40 更新 : 2017.06.01 02:11
ポルシェは、そのスポーツカー・ラインナップを変更する計画だ。具体的にはフェイスリフトが予定されている新しい911のエンジンを基本的にターボ・ユニットにしようというものだ。というのも、CO2排出量の低減と燃費の向上を計るのが大きな目的である。
但し、ポルシェは、今年3月のジュネーブ・モーターショーでは待望の911 GT3 RSをデビューさせるが、このGT3 RSについては、ポルシェのプロダクト責任者であるウルフガング・ハッツが新世代のフラット6を搭載するものの、ノーマル・アスピレーション・ユニットであることを確約している。ノーマル・アスピレーションでありながら、そのパワーは520psとなり、GT3の475psを大きく上回るもの。ハッツによれば、前作のGT3 RSよりも “より過激なモデル” となるという。
空力パッケージの見直しも行なわれ、ポルシェのコンピューター・シミュレーションによれば、ニュルブルクリンクでの周回タイムは7分20秒を切るとされている。ちなみに、現行のGT3は7分25秒だから、5秒以上の短縮となる。
このGT3 RSのノーマル・アスピレーション・フラット6は、新しいフラット6にとっては “異例” の措置であり、通常の911、ケイマン、ボクスターに使用されるフラット6は一新される。中でも、911に搭載されるフラット6は、51年間続いたノーマル・アスピレーションを捨て、標準的な911にもターボ・ユニットが搭載されることになる。但し、噂されていたフラット4の搭載については、ハッツは否定している。
その代わりに、新しいフラット4ユニットは、来年フェイスリストを控えているボクスターに搭載され、必然的にケイマンにも積まれることとなる。このフラット4ユニットは2.0ℓというキャパシティであるが、ハッツによれば “ポルシェに相応しいパフォーマンス” を発揮するという。
また、エントリー・レベルのモデルの話とは別に、昨年のフランクフルト・モーターショーでデビューしたケイマンGT4については、今年の夏、あるいは秋の早いうちにデリバリーができる状態になったとハッツは語っていた。このケイマンGT4については、その開発にポルシェ・モータースポーツが関わったことも確認している。このGT4は、ケイマンRの単純な代わりのモデルではなく、ボディ・ウエイトの軽減とパワー・アップが同時に図られているという。パワーについては400psを超えるかどうかについては “そこまではいかないと思う” と答えていた。ちなみに、現行のケイマンGTSは、340psだ。GT4のパフォーマンスについては、GTSの4.9秒よりも0.5秒早い0-100km/h加速を持ち、トップスピードも290km/hを上回るとされている。また、ハッツはケイマンGT4をベースとしたレーシング・モデルの開発もあるとしている。
更に、このケイマンGT4のボクスター・バージョンももちろん計画しているという。但し、このボクスターにはGT4のネーミングではなく、クラブ・スポーツのネーミングが復活してつけられるかもしれない。
そして、911と918の間を埋めるスーパースポーツについても、開発が進められていることを明らかにした。これは、少なくとも2020年までにデビューする計画で進行しているという。