【7代目BMW M5が日本上陸】史上初ハイブリッドで727ps&1000Nmのモンスターモデル!

公開 : 2024.10.04 06:45

10月2日、BMWジャパンは新型M5を発表し、販売を開始しました。デリバリーは、11月中旬以降を予定しています。

市販乗用車をベースにした最初のMモデルはM5だった

M5は、ハイパフォーマンス車両を手がけるBMW M社が開発した、プレミアムセグメントにおける高性能セダンだ。初代は1984年に登場し、今回発表された新型は7代目にあたる。

ちなみに、BMW初のスーパーカーといえるM1を除けば、市販乗用車をベースにしたMモデルとして最初のクルマはM5だった。

7代目となる新型BMW M5が日本上陸。10月2日に販売開始。
7代目となる新型BMW M5が日本上陸。10月2日に販売開始。

BMW M社が開発する高性能マシンのMモデルには、2つのカテゴリーがある。

ひとつはレーシングカーの技術を採用し、市販車でありながらサーキットでの本格的な走行を可能としたMハイパフォーマンスモデル。もうひとつは、公道における高いスポーツ走行性能とプレミアムカーとしての快適性の両方を妥協なく高めたMパフォーマンスモデルだ。

今回発表された新型M5は、前者のMハイパフォーマンスモデルに位置づけられる。

いま、Mモデルは世界的に好調だ。2023年は全世界で20万台ものMモデルが販売され、これは2022年の17万台以上という数値よりも14%も増えている。

サーキット走行が可能とはいえ、Mモデルでサーキットを走るオーナーはそう多くはないだろう。

オーナー像は、医師、弁護士、公認会計士、会社の役員といったエグゼクティブエンスージァストが多いという。

ストレスの多い仕事を終えて家路に向かう際、Mモデルのドライブを楽しみ、思いのままに『駆けぬける歓び』を味わうことで、自分のキャリアもコントロールする。そんな感覚を楽しむためにMモデルを選ぶのだそうだ。

モータースポーツからフィードバックされたPHV

新型M5で最大の注目点と言えば、Mモデルとしては初めてハイブリッドシステムを採用したことだろう。

単体でも最高出力585ps(430kW)と最大トルク750Nmを発生する4.4LのV8ツインターボエンジンに、第5世代のBMW eドライブテクノロジーを採用した電池容量22.1kWhを持つ、197ps(145kW)と450Nmを発生する電気モーターを組み合わせた、M専用プラグインハイブリッドシステム『M HYBRIDシステム』を搭載している。

Mモデルとしては初めてハイブリッドシステムを採用。
Mモデルとしては初めてハイブリッドシステムを採用。

このシステムは、9月に富士スピードウェイで開催されたWEC(世界耐久選手権)富士6時間レースにおいて、ハイパーカークラスで2位となったレーシングマシン『BMW MハイブリッドV8』のテクノロジーをフィードバックしている。

クロスバンク型のツインターボエンジンは、1/1000秒を争うサーキット走行直結の技術のひとつで、ツインスクロールターボ2基を、向かい合うシリンダーの排気管を敢えて跨いで配置。ターボに排気のパワーが遅れずに、干渉することなく、理想的な間隔で加わるため、鋭いレスポンスとスムーズな力強い加速を実現できる。

これに、8速MステップトロニックATのハウジングに電気モーターを組み込み、システムトータルで最高出力727ps(535kW)と最大トルク1000Nmを発生。電気自動車を除けば、BMW史上最強のパワーユニットを搭載するモデルの1台となった。

駆動方式は、Mモデル専用の4WDシステムであるM xドライブ。バッテリーやガソリンタンクなど重量物をホイールベース内にレイアウトすることで、前後重量配分の適正化と低重心化を実現。また、後輪操舵も採用している。

0-100km/h加速は3.5秒で、コーナーなどの立ち上がり加速となる80-120km/h加速は2.2秒。それでいながら、フル充電状態なら電気モーターだけで約70kmのゼロエミッション走行ができる(数値はすべて欧州仕様値)。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    田中秀宣

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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