真面目さと耐久性が売り! 新型 スバル・フォレスターへ英国試乗 タッチモニター獲得 強みは不変

公開 : 2024.10.17 19:05

静かで上質なエンジン 滑らかなステアリング

このパワートレインは静かに働き、フィーリングは上質。水平対向エンジンながら、極めて滑らかな感じもある。昔のスバル車のような、ドロドロというビートは聞こえない。7速ATも、スルスルと変速を続けていた。

ステアリングは、リニアでスムーズに反応する。乗り心地はしなやかで、高速で旋回すると穏やかにボディロールが発生する。ロードノイズも小さい。昔のように、スポーティな仕様のフォレスターが登場すれば、運転を思い切り楽しめそうだ。

スバル・フォレスター(海外仕様)
スバル・フォレスター(海外仕様)

今回は、オンロードのサーキットと、オフロードコースを数周しただけ。限界領域までは迫れていないが、落ち着きに優れ能力の高さを伺わせる。普段使いで好印象なことは、想像に難くない。

悪路の走破性も素晴らしい。本気のジープラングラーなどには匹敵しないとしても、オールテレーン・タイヤを履かせれば、グレートブリテン島の冬のぬかるんだ原野にも立ち向かえるはず。

マイルド・ハイブリッドだから、燃費は特に良いわけではなく、カタログ値で12.4km/L。それでも、厳しい環境へ近い場所で暮らすユーザーは、メカニズムの信頼性や耐久性の方を重要視するに違いない。

飾り気のない、実直なクロスオーバー

6代目へ一新した、フォレスター。オンロードでの走行性能と、オフロードでの走破性を巧みに融合させた、実直なクロスオーバーだという特長に変わりはない。改善点はまだ残っているとしても、好感を抱けるモデルだと思う。

スタイリングに、華やかさはないかもしれない。しかし、四輪駆動の頼もしさや耐久性は間違いない。

スバル・フォレスター(海外仕様)
スバル・フォレスター(海外仕様)

アメリカやオーストラリア、スコットランドなど、実際にこのようなクルマを必要とする人には、強く響くはず。デザインやイメージ優先で選ばれ、都会から殆ど出ないような、フォルクスワーゲンティグアンなどとはまったく別の存在といえる。

◯:運転席からの優れた視界 実用的で余裕のある車内空間 心地良い運転体験
△:タッチモニターの操作性はいまいち 良くない燃費 運転が楽しいわけではない

スバル・フォレスター(海外仕様)のスペック

英国価格:約4万ポンド(約768万円/予想)
全長:4655mm
全幅:1828mm
全高:1730mm
最高速度:188km/h
0-100km/h加速:12.2秒
燃費:12.4km/L
CO2排出量:183g/km
車両重量:1717kg
パワートレイン:水平対向4気筒1995cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/5600rpm
最大トルク:18.4kg-m/4000rpm
ギアボックス:7速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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