タイ生産の高級SUV「アバター11」右ハンドル車をグローバル展開 約925万円から 来年英国導入も

公開 : 2024.10.07 06:05

中国のEVブランド、アバター(阿維塔)が右ハンドル市場に力を入れている。タイをグローバル戦略の基盤とし、英国などに進出していく計画だ。

タイをグローバル戦略の基盤に

中国のEVブランド、アバター(阿維塔、Avatr)は2025年までに右ハンドルの英国市場への導入を目指している。

アバターは、バッテリーメーカーのCATL、自動車大手の長安汽車、IT大手ファーウェイ(華為)が2020年に立ち上げた合弁会社である。

アバター11
アバター11    アバター

9月には、ブランド初の右ハンドルモデルである中型SUV「アバター11」をタイに導入した。このタイを中心に、右ハンドル車のグローバル展開を目指す。

ブランドを率いるチェン・ズオ社長は、「タイをアバターのグローバル化戦略の橋頭堡にできると確信している。他の東南アジア諸国や世界の右ハンドル市場にも進出していく」と述べた。

アバターはドイツ・ミュンヘンに2021年にデザインスタジオを設立しており、親会社の長安汽車も同市に販売・マーケティング拠点を置いている。

英国にも導入される可能性が高いアバター11は、BMW X5に近いサイズの高級電動SUVだ。長安汽車の「EP1」プラットフォームをベースに750Vの電気アーキテクチャーを採用。ファーウェイが開発した2基の電気モーターを搭載し、四輪駆動で合計出力580ps、最大トルク66kg-mを発生する。

タイ向けの価格は、容量90.4kWhバッテリーを搭載した航続距離390kmのモデルが209万バーツ(約925万円)から、116.8kWhで航続距離675kmのモデルが223万バーツ(約990万円)から。

当初、アバター11の右ハンドル車は中国の重慶で生産され、来年初めにタイ工場に移される。その後、グローバルへの輸出が開始される予定である。

また、セダンの「アバター12」と小型SUVの「アバター7」をノックダウン(KD)方式でタイで生産し、アセンブリは中国から出荷する計画だ。

右ハンドル市場に重点を置くのは、長安汽車がバーミンガムの研究開発センターを通じて英国でのプレゼンスを高めているためだ。今年初め、長安汽車はディーパル(深藍、Deepal)ブランドを英国に導入し、タイ生産のSUV「G318」を発売すると発表した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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