【マクラーレンW1デビュー】 1275ps&1340Nm! マクラーレン史上、最高性能のロードカーが降臨!

公開 : 2024.10.06 21:10  更新 : 2024.10.08 12:44

まるで2024年シーズンのF1マシン

発表を前にごく限られたメディアをMTC(マクラーレン・テクニカル・センター)に招き、スニークプレビューが開催された。全ての電子デバイスを入口で預け、円形の”小劇場”(プレゼンテーションルーム)に入ってみれば、センターステージでいまだベールに包まれたW1と対面する。

アンベールの瞬間、固唾を飲んで見守った。オレンジとブラックに塗り分けられたW1が姿を現す。筆者の第一印象は「想像したよりもシンプル」というものだった。

マクラーレン・アクティブ・ロングテールと呼ばれるリアウイングは300mmも後退する。
マクラーレン・アクティブ・ロングテールと呼ばれるリアウイングは300mmも後退する。    マクラーレン

もちろん隅々まで妥協なくこだわり抜いた空力最重視のスタイリングゆえ、特に車体の下半身はなかなか凝ったカタチをしていたのだが、ブラックアウトされている部分も多く、またヘッドライト周りのデザインがとてもわかりやすかったために、どこかシンプルに見えたのだろう。ドアから後ろ、インテークからリアフェンダーの膨らみあたりはP1の正統な後継車といったスタイルだと思った。

ドアあたりの造形は、”凄い”を超えて”凄まじい”。まるで2024年シーズンのF1マシン、MCL38じゃないか。ドアを上げてみれば、その断面がまたF1マシンのウイングのようで、3枚のパネルで構成されているのが分かる。全てのパーツ、インテリアも含めて、空力を考慮したかのようだ。

レースモードを選べば最低地上高がフロント37mm、リア17mm下がり、さらに『マクラーレン・アクティブ・ロングテール』と呼ばれるリアウイングは300mmも後へずらされて、フロント350kg、リア650kg、合計最大1トンものダウンフォースを高速コーナリング中に発するという。

マクラーレン史上、最高性能のロードカー降臨である。そのトラックパフォーマンスもまた、現時点で世界最高クラスというほかない。

SPEC:McLaren W1

ドライブトレイン:90度V型8気筒ツインターボ(MHP-8型)&ラジアル・フラックス型エレクトリック・モジュール搭載ハイブリッド
排気量:4.0L(3988cc)
レイアウト:縦置きミッドシップ/後輪駆動
最高出力:1275ps(ガソリンエンジン928ps/エレクトリック・モジュール347ps)
最大トルク:1340Nm/4500-5000rpm(ガソリンエンジン900Nm/エレクトリック・モジュール440Nm)
トランスミッション:8速DCT&Eリバース
サスペンション:F&Rダブルウィッシュボーン
ブレーキ:カーボン・セラミック・レーシング+(MCCR+)
ホイール:F 19×9.5J R 20×12.0J
タイヤ:F 265/35/R19 R 335/30/R20
全長×全幅×全高4635×2074×1182mm
ホイールベース:2680mm
トレッド:F 1676mm R 1624mm
最軽量乾燥重量:1399kg
パワーウェイトレシオ:911ps/t
燃料タンク容量:62L
バッテリー容量:1.384kWh
バッテリー充電時間:22分で80%(EVSEケーブル使用)
EV航続距離:2km
ラゲッジ容量(Wet/DIN):118L/87L
0-100km/h加速:2.7秒
0-200km/h加速:5.8秒
0-300km/h加速:12.7秒以内
最高速度:350km/h(電子的に制限)

記事に関わった人々

  • 執筆

    西川淳

    Jun Nishikawa

    1965年生まれ。京都府在住の自動車ライター。スーパーカーなどの高額車、スポーツカー、クラシックカーといった“趣味のクルマ”が得意。精密機械工学部出身で、産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想としており、中古車事情にも通じる。「永遠のスーパーカー少年」として知られている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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