「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 前編

公開 : 2024.11.02 18:05

ダッジ(1930年代)

ウィンディヒル・オートパーツの在庫のほとんどは1950年代、1960年代、1970年代のものだが、よく探せば100年前のクルマも見つかる。しかし、一般的に古いクルマほど状態が悪い。数十年かけて徹底的に使い古され、錆びついたボディの外殻を残すのみで、車種を識別するのはかなり難しい。

これは1930年代後期のダッジだと自信を持って言えるが、年式がわかる方はいらっしゃるだろうか?

ダッジ(1930年代)
ダッジ(1930年代)

フォードLTD(1972年)

この1972年型フォードLTDは、ウィンディヒル・オートパーツから今にも飛び出してきそうだ。20年以上(1965年から1986年まで)生産されていたにもかかわらず、その間、フォードは「LTD」が何の略かを説明することはなかった。「ラグジュアリー・トリム・デコレーション」や「リンカーン・タイプ・デザイン」の頭文字といった説が有力だが、実際には特に意味はないのかもしれない。

フォードLTD(1972年)
フォードLTD(1972年)

シボレー・マスター・デラックス(1936年)

今見るとわからないが、1936年当時、このマスター・デラックスはシボレーのラインナップの頂点にあった。2ドアのタウン・セダンで、同年のベストセラーとなったボディスタイルだ。3.4L 6気筒エンジンを搭載し、3速MTが組み合わされていたはずだ。

シボレー・マスター・デラックス(1936年)
シボレー・マスター・デラックス(1936年)

ポンティアックサンバード(1978年)

この1978年型ポンティアック・サンバードを取り囲むスペースを見てほしい。かつてはクラシックカーがずらりと並んでいた場所だ。同年にわずか2万413台しか生産されなかったうちの1台である。シボレー・モンツァに相当する初代モデルで、米国ではトヨタ・セリカのようなスポーティな輸入車や、フォード・マスタングIIのような国産車と競合していた。

ポンティアック・サンバード(1978年)
ポンティアック・サンバード(1978年)

インターナショナル・スカウト(1960年)

修復するには劣化しすぎているかもしれないが、この1976年型インターナショナル・ハーベスター・スカウトIIが解体されていないのは驚きだ。結局のところ、このクルマは今、間違いなく需要があるのだ。ナンバープレートの日付から、1990年以来道路を走っていないことがわかるが、もちろんそれは、ずっとここにあったという意味ではない。

フォルクスワーゲンは最近、リビアンのライバルとなるEVブランドとしてスカウトを立ちう上げた。同社の商用車部門であるトラトンが2021年にインターナショナルの親会社ナビスターを買収した際に、スカウトの名称を取得したのだ。

インターナショナル・スカウト(1960年)
インターナショナル・スカウト(1960年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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