「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 後編

公開 : 2024.11.02 18:25

都会の喧騒からかけ離れた静かな丘の中腹で、何千台ものクルマが静かに「余生」を送っている。米ミネソタ州の巨大ジャンクヤードで見つけた掘り出し物をいくつかご紹介したい。

シボレー・サバーバン(1967年)

(翻訳者注:この記事は後編です。前編とあわせてお楽しみください)

シボレーの「サバーバン」は、自動車に与えられた名称としては世界で最も長く使われている。1934年に生産が開始され、約90年経った現在でも生産されている。この比較的保存性の高い個体は1967年のもので、第6世代の初期の1台である。

シボレー・サバーバン(1967年)
シボレー・サバーバン(1967年)

スチュードベーカー・ラーク(1960年)

ウィンディヒルから生きて去ることはないだろう。スチュードベーカー・ラークの初代の4ドア・セダンで、1960年に工場から出荷されたときは、間違いなくこのバナナのような形はしていなかった。

この個体はラークVIで、VIIIの4.2L V8とは対照的に、2.8L 6気筒エンジンを搭載していた。

スチュードベーカー・ラーク(1960年)
スチュードベーカー・ラーク(1960年)

シボレーC10(1965年)

何年も前に重労働から解放されたトラックだが、引退生活を楽しんでいるようには見えない。1965年型のシボレーC10だ。「C」は「コンベンショナル」の頭文字で、二輪駆動であることを示し、「10」は「0.5トン」の積載量を意味する。一方、四輪駆動モデルには「K」というアルファベットと、「3/4トン」の積載量を表す「20」という数字が付く。

シボレーC10(1965年)
シボレーC10(1965年)

ダッジ・コロネット・ワゴン(1966年)

この希少な1966年型ダッジ・コロネット440は素晴らしいコンディションで、V8エンジンも健在である。この年に販売された25万900台のコロネットのうち、ステーションワゴンは2万7700台のみであった。保存状態は良好で、ボディワークにはへこみがなく、腐食もほとんどない。

ダッジ・コロネット・ワゴン(1966年)
ダッジ・コロネット・ワゴン(1966年)

マーキュリー(1946年)

ちょっとした手直しで新品同様に……。ルーフの薄れたメモによれば、これは1946年型のマーキュリーだ。写真でおわかりのように、絵のように美しいヤードの片隅にぽつんと置かれている。

マーキュリー(1946年)
マーキュリー(1946年)

ホンダシビックMk1

ウィンディヒル・オートパーツで見つけた初代ホンダ・シビック。これとほとんど同じものがもう1台あった。初代シビックは特許を取得した複合渦流調速燃焼エンジン、略してCVCCを搭載していた。1975年に発売された最高出力53ps、1.5Lのエンジンは非常にクリーンで、触媒コンバーターを必要としなかった。

初期のシビックは深刻な腐食に悩まされ、その多くが早々に廃車置き場で生涯を終えた。この個体には錆の問題があるものの、これほど長く生き延びたのは驚くべきことだ。

ホンダ・シビックMk1
ホンダ・シビックMk1

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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