「風の丘」で眠る何千台ものクルマたち 家族経営の巨大ジャンクヤードで見つけた珍しい宝物 40選 後編

公開 : 2024.11.02 18:25

プリムス・ヴァリアント

貴重な部品を風雨から守るため、トランクやボンネット、ドアを確実に閉めることに細心の注意を払っているヤードもあるが、ウィンディヒル・オートパーツではあまり優先していないようだ。その点については、この1965年型プリムス・ヴァリアントが見事に証明している。グローブボックスの蓋も開いていても不思議ではない……。

これは上級トリムのV200で、室内にいくつかの快適装備を追加し、外装にクロームを追加したものだ。

プリムス・ヴァリアント
プリムス・ヴァリアント

シボレー(1951年)

腐食や凹みのないボディパネルを見るに、この1951年型シボレーがウィンディヒルに持ち込まれたのはごく最近のこととしか思えない。シボレーは1951年の王者であり、2位のフォードより21万6千台多く販売していた。

シボレー(1951年)
シボレー(1951年)

プリムス・バラクーダ

マスタングほどの人気はなかったものの、プリムス・バラクーダはフォードよりも16日速く市場に投入された、元祖ポニーカーである。ただ、基本的には派生モデルのファストバック・バージョンに過ぎず、残念ながら6気筒エンジンを搭載して発売された。最高出力わずか101psで、ルックスに見合わない性能だった。

ウィンディヒルの一角を明るく照らすこの初期型は、当時自動車業界で最大のガラスであったリアウィンドウを残している。

プリムス・バラクーダ
プリムス・バラクーダ

メルセデス・ベンツ220D

最高出力65psの2.2L 4気筒ディーゼルエンジンを搭載したメルセデス・ベンツ220(W115)は、0-97km/h加速に23秒以上かかり、最高速度は130km/h程度と、決して高性能なものではなかった。しかし、速くはないものの、低燃費(11.7km/l)、スタイル、信頼性で補って余りあるものだった。

この1970年代初頭のモデルはそんなスローライフを終え、永久に停止している。

メルセデス・ベンツ220D
メルセデス・ベンツ220D

フォード・ファルコン(1961年)

比較的新しい住人と一緒に置かれているため、やや場違いに見える。初代フォード・ファルコンで、同車が最も売れた1961年の1台だ。販売台数47万4191台のうち、15万9761台がこのような4ドア・セダンだった。この個体が最後に走ったときは、雨が降っていたようだ。

フォード・ファルコン(1961年)
フォード・ファルコン(1961年)

オールズモビル88(1960年)

オールズモビル88(1980年代後半からはエイティエイトに改名)は、実に50年間(1949~1999年)も生産されていたモデルである。そして、この1960年型が出荷されたとき、すでに第4世代に入っていた。これは廉価版のダイナミック88で、デチューンされた最高出力240psのロケットV8を搭載していたことになる。

側面にはプライマーの跡が残っている。これは、かつて誰かがサビを防ごうと気にかけていたことを示している。

オールズモビル88(1960年)
オールズモビル88(1960年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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