【開設100周年】自動車業界に革命をもたらしたテストコース 「20」の事実をご紹介

公開 : 2024.10.09 07:05

GMのミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコースに関して、100周年を記念し、その規模、範囲、歴史など、この施設に関して知っておくべき20の事実をご紹介します。

デトロイト発

ゼネラルモーターズ(GM)のあらゆるテストを行う重要な施設である「ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコース(米国ミシガン州ミルフォード)」は、今年で開設100周年を迎えた。

これを記念して、2024年9月21日、従業員、OB、およびその家族7000人以上が集まり、世界最古の自動車試験専用施設の記念すべき節目を祝ったと発表された。

「ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコース」が開設100周年。
「ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコース」が開設100周年。

ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコースは、1924年9月25日、当時のGM社長アルフレッド・P・スローンJr.の指導のもと開設され、総面積4000エーカーにもおよぶ敷地を有し、約150マイルのテストコースを完備した、GMのすべての自動車、ピックアップトラック、SUVのテストと開発において重要な役割を果たし続けている。

式典当日、来場者には、2.9マイルのサーキットコースや急勾配の坂道、舗装路および未舗装路、さらにブラックレイクと呼ばれる67エーカーの広大なブラックトップエリアなどを巡るセルフガイド・ツアーが行われ、また、セレモニーを記念して、1910年式「REOモデルR」や1922年式「キャデラック・タイプ61ビクトリア・クーペ」など、希少モデルを含む数百台のクラシックカーが会場内に特別展示された。 

GMのマーク・ロイス社長

「ミルフォード・テストコースは、GMの長い革新の歴史の中核であり、安全技術からスーパークルーズに至るまで、自動車業界に革命をもたらしてきました。

ここでは車両の性能はさらに向上し、私自身も夏季のインターンとしてV6エンジンの騒音と振動の研究に携わり、キャリアをスタートさせた場所でもあります。本日、ミルフォードは100周年を祝うとともに、次の100年においても、自動車試験と開発における次の100年のリーダーシップを担うことを期待しています」と述べている。

GMはこの100周年イベントの一環として、GMヘリテージ・センターとGMプルービング・グラウンドOBクラブの監修により、車両、工芸品、写真、歴史的ビデオなどを展示した期間限定の博物館を開設した。

規模・スケール・速度:

・1923年、GMはミルフォードの土地を10万ドル以上で購入。この土地は一般的に平坦な南東ミシガンでは珍しい起伏ある地形と267フィートの標高差から「ブラフ(絶壁・崖)」と呼ばれていた。

・当初は1125エーカーの敷地に2つの建物と5.5マイルの試験道路があったが、現在は4000エーカー以上の敷地に150以上の建物がある。

「ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコース」が開設100周年。
「ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコース」が開設100周年。

・ミルフォード・プルービング・グラウンド・テストコースには131マイルの舗装道路と16マイルの砂利道を含む、約150マイルの2車線道路があり、もし、仮にここが連続した1本の高速道路であれば、ドライバーは時速70マイルで2時間走行し、折り返してさらに2時間走ることが可能だ。

・GMのスタッフは、車両開発のために年間1500万マイル以上のテスト走行を行っている。

・エンジニアは、華氏-40度から華氏130度、高度-700フィートから1万2500フィート、湿度10%から90%、風速0マイルから100マイルといった極限の環境条件をシミュレーションすることができる。

・衝突実験室には安定性を確保するために、実験場下の岩盤に14万ポンド(約70トン)の鉄筋コンクリートが固定されている。

・「ブラックレイク」は67エーカー(サッカー場51面分)のテストエリアで、さまざまな気象条件下での車両の動的テストに使用される。

・全長2.9マイルのロード・コースは、世界各地の有名なサーキットのセクションを模しており、コースは17のコーナーで構成され、それぞれが特定の性能要件をテストするように設計されている。ストレートでは時速150マイル以上のスピードが出る。

・4200人以上の従業員のために115エーカーの駐車場があり、175エーカーの芝生がある。

・独自の変電所、廃水処理施設、現場の消防・救急スタッフ、医療施設があり、24時間365日稼働している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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