アルピーヌ、EVに「偽物のエンジン音」は使わない 次期A110は電動パワートレインの個性を重視

公開 : 2024.10.10 06:25  更新 : 2024.10.11 20:20

アルピーヌが計画中の次期「A110 EV」において、ヒョンデ・アイオニック5 Nのような疑似的なエンジン・ギミックは採用しないという。CEOは「偽物は好きではない」と否定的な姿勢を見せている。

CEO「偽物は好きではない」

フランスのアルピーヌは、人工的に生成した「フェイク」のエンジン音を自社の電気自動車(EV)に採用することはないという。EVの特性や個性を重視する姿勢だ。

一部の市販EVでは、ドライビングを盛り上げるためにエンジン車を模倣したギミックを備えている。例えば、ヒョンデアイオニック5 Nでは擬似的なトランスミッションをパドルで操作し、エンジンのパワーデリバリーを正確にシミュレートすることができる。合成エンジン音も車内のスピーカーから流れる。

アルピーヌA110 E-ternite
アルピーヌA110 E-ternite

アイオニック5 Nでは好評を受けたが、アルピーヌが計画中の「A110 EV」も同様の設定を採用することはあるのだろうか? 記者の質問に対し、同社のフィリップ・クリーフCEOは次のように答えた。

「これは偽物(fake)です。本当に偽物です。わたしはこのような偽物は好きではありません」

また、次期A110は「電気自動車」であるため、エンジンを搭載しているような音は出すべきでないとした。しかし、もし顧客がそれを求めるのであれば、「電気自動車にエンジン車のような音や特徴を持たせることもできる」とも語った。

アルピーヌの新型A290では、エンジン音のシミュレートではなく人工音を採用している。

「同じではありませんが、(似たような)何かを見つけることはできるでしょう。それはとても簡単なことです」とクリーフCEOは言う。

2026年に発売予定の次期A110は、A290と、今月中に発表予定のA390_Bコンセプトに続く、アルピーヌの3番目のEVとなる。

アルピーヌは以前、既存のA110をベースとするEVバージョンを試作したことがあるが、新型車はEV用プラットフォームを使用する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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