フォックスコン自動車部門が新型「高級ミニバン」公開 iPad搭載の7人乗りEV、2026年生産開始へ

公開 : 2024.10.10 06:05

台湾フォックスコンの自動車部門、フォックストロンが新型EV「モデルD」を発表。最大7人乗り、全長5.13mの大型ミニバンで、航続距離は660km。自社ブランドではなく他社向けに生産・納入される。

全長5.13mの大型ミニバン 自社ブランドからは売らず

台湾のIT大手フォックスコン(Foxconn/富士康)の自動車部門であるフォックストロンは10月8日、新型EV「モデルD(Model D)」を発表した。2026年に量産開始予定だ。

イタリアのピニンファリーナがデザインを担当した7人乗りの電動ミニバンで、全長5.13m、全幅1.99mと、Dセグメントに位置づけられることからモデルDと命名された。

フォックストロン・モデルD
フォックストロン・モデルD    フォックストロン

フォックストロンによると、100~120kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを使用し、WLTPテストサイクルで最長660kmの航続距離を達成するという。

空力性能に重点を置き、ボディワークにさまざまな通気口や折り目を設けることで、車両周囲の空気の流れをスムーズにしている。空気抵抗係数Cd値はわずか0.23に抑えられている。

電気アーキテクチャーも航続距離に重要な役割を果たすという。インフォテインメント・システムなどを制御する複数の「ゾーン」モジュールを備えた1台の集中型コンピューターを中心に設計されている。

これによりエネルギー効率を向上させ、コスト削減にもつながるとフォックストロンは言う。

モデルDのプラットフォームは、フォックスコンが今年初めに株式の50%を取得したドイツのZFシャシー・モジュール社によって開発されたものだ。

6人乗り仕様もあり、アームチェアにはiPhone対応の充電パッドが設けられるほか、シートバックにはiPad用のスロットが備わる。

量産は2026年に開始される予定だが、自社ブランドで販売されるわけではない。フォックストロンのビジネスモデルは、他社に製品ライセンスを供与し、必要に応じて若干の設計変更も行うというものだ。

例えば、フォックストロンのモデルCは現在、台湾のラクスジェン(Luxgen/納智捷)が販売している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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