こんなにあったの? 「普通」とは一味違う優雅なシューティングブレーク 21選
公開 : 2024.11.03 18:05
ジェンセンGT
ジェンセンは、初期のボルボP1800クーペの生産には携わっていたが、1800 ESとの関係はなかった。それが、同社が1975年までシューティングブレークの人気に気付かなかった理由かもしれない。
こうして誕生したジェンセンGTは、信頼性と品質の問題をある程度解決したとはいえ、ベースとなったのは旧来のジェンセン・ヒーレーだ。荷物の積載に便利で、ロータスのエンジンも優れたパフォーマンスを発揮したが、販売は軌道に乗らず、1976年までの約1年間にわずか473台しか売れなかった。
リンクス・ジャガー・イベンター
ジャガーXJ-Sの「フライングバットレス」(リアに伸びる三角形のフィン)は、常に賛否両論だった。そこで英国のレストア会社リンクスは、リアを巧みに作り変えてシューティングブレーグとし、よりエレガントなクルマに仕上げた。
後部座席は積載スペースを最大化するために折りたたみ式となった。イベンターは1986年から2002年までの16年間に67台が生産された。
ランチア・ベータHPE
フィアット傘下にあっても、ランチアは常に独自の個性を表現してきた。高性能ワゴンを意味する「ハイ・パフォーマンス・エステート」の頭文字をとったHPEは、リライアント・シミターと同様の流れで開発されたシューティングブレークだ。
クーペのベータのフロントボディを使用しながら、セダンのフロアパンを採用することでソフトな乗り心地とロングホイールベースを実現した。これは非常にうまくまとまり、10年で7万1000台を販売した。最終年、ランチアは最高出力135psのスーパーチャージャー付き「ボルメックス(Volumex)」エンジンを導入した。
BMW Z3 Mクーペ
多くのシューティングブレークがそうであったように、Z3 Mもまた、コンパクトなスポーツワゴンに可能性を見出したBMW社内の熱心な従業員の間から生まれた。
彼らは秘密裏にZ3ロードスターをベースに同車を開発し、以来多くのファンを喜ばせてきた。E46型M3のエンジンを搭載することで、パフォーマンスは飛躍的に向上した。BMWはM以外のバージョンも導入しているが、右ハンドルの設定はなかった。
フェラーリFF
フェラーリFFの発表会では見るべき点が多くあり、そのシューティングブレークのスタイリングはあまり注目されなかった。最高出力660psの6.2L V12エンジンを搭載し、0-100km/hを3.7秒で駆け抜け、最高速度335km/hを誇る四輪駆動のフェラーリである。
それでいて、4人がゆったりと座れ、450Lのトランクも備えたボディワークは、まさに驚嘆に値するものだった。これは実用的なファミリーカーと言えるかもしれない。価格を除けば。