ランドローバー・レンジローバー vs キア・ソレント 上昇続く高級感と洗練度 新車か中古車か?(3)

公開 : 2024.10.25 19:05

現実的な値段の新車と、中古車で安くなった憧れの1台 どちらを選ぶべきか、クルマ好きなら悩んだことがあるテーマでは? 同等予算で狙える有力な2台を、英国編集部が乗り比べ

プレミアム化に努める自動車ブランド

周囲との差別化を図り、より多くの利益を得るため、ほぼすべての自動車メーカーは「プレミアム化」という手段を選んでいる。スタイリッシュなボディに、上質で華やかなインテリアを組み合わせ、従来よりイイクルマだというイメージを醸し出している。

そんな戦略で、巧みに成功を掴んでいるのが韓国のキアだ。訴求力の高いブランドとして欧州では躍進を続け、大型SUVの洗練度は確かに優れる。同クラスのライバルとして、BMWアウディを持ってきても、過大評価だとはいえなくなったと思う。

シルバーのランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーと、グレーのキア・ソレント・プラグインハイブリッド 4
シルバーのランドローバーレンジローバー・オートバイオグラフィーと、グレーのキア・ソレント・プラグインハイブリッド 4

ということは、ランドローバー・レンジローバーとも比較されることを意味するだろう。新車価格には、大幅な開きがあるとしても。

英国編集部が用意したグレーのソレントはプラグイン・ハイブリッドで、英国価格は5万5995ポンド(約1075万円)。だが、通常のハイブリッドなら4万2000ポンド(約806万円)を切る。

対するレンジローバーは、中古車なら価格はだいぶ落ちてくる。前世代となる、2013年から2021年に提供されていたL405型なら、英国では同等の予算内で複数の選択肢から選べる。

今回のシルバーのレンジローバーは、走行距離が12万kmを超えている。このブランドを得意とするディーラーが販売する車両で、英国価格はソレントの半額ほど。状態の良いオートバイオグラフィー仕様にあり、間違いなく魅力的な1台だ。

相変わらずラグジュアリーなインテリア

ソレントは最近マイナーチェンジを受け、見た目もリフレッシュした。路上での存在感は小さくない。カクカクした、キアEV9ほどのインパクトはないとしても。

L405型のレンジローバーは、穏やかに月日を過ごしてきたように映る。スタイリングは今でも上品で、アグレッシブさが横行する近年の自動車界にあって、ひときわ落ち着いた雰囲気を放っている。

ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィー(L405型/2013〜2021年/英国仕様)
ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィー(L405型/2013〜2021年/英国仕様)

インテリアも、相変わらずラグジュアリー。とても。このクルマには旧式なインフォテイメント・システムが備わるが、フェイスリフト後の2017年式以降を探せば、ピヴィプロという新システムが付いてくる。

シートは柔らかいレザー仕立て。ダッシュボードには、艶の深いウッドパネル。高級クラブにも劣らない。エグゼクティブ・パッケージが組まれ、2列目は独立したキャプテンシート。エアコンとオーディオの操作パネルの付いた、コンソールが中央に備わる。

ソレントのインテリアにも高級感は伴うものの、特別感では届かない。空間が広く、綺麗に荷室のフロア下へ折りたためる、3列目シートを備えるが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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