ヴォグゾール・アダム・グランド・スラム

公開 : 2015.01.22 23:50  更新 : 2017.05.29 18:29

いくらパワー・アップしたといえども合計で150psしかないゆえ ’あり余るほどの’ といえば大げさになってしまうけれど、エンジンそのもののなめらかさや正確性にも満足できる。

6速マニュアル・トランスミッションの変速にはごくわずかな癖を感じる一方、慣れてしまえば大きな問題はなく、エンジンとの相性もまずまずである。

ダンパーとスプリングに加え、シャシーもグランド・スラム専用の味付けにしているとのことで、ほとんどの路面状況におけるハンドリングにも好感が持てる。軽めのステアリングで正確性を確保したのはお見事だ。

ハードな入力に対してもパワートレインの反応はよく、アダムに非常に活発な印象をもたらしている。とくに限界域ちかくでの身のこなしは素晴らしく、完全にオフにはできないがESPの介入を弱められるのも嬉しい。

ひと走りして市街地に戻れば、足元を締めあげすぎていないことがよくわかる。絶妙な落としどころを見つけており、インテリアの視覚的効果と相まって、とてもリラックスして運転できる。

ただし内装材のチョイスはやや演出過剰。ライバルのモデルと比べると硬いプラスティックを用いすぎているきらいがあり、スポーティネスを打ち出すにはいいけれど、触ってちょっとだけ落胆することがあった。

この感覚はエクステリアも共通。もしかすると18インチのアロイ・ホイールやボディ・キット、大きなリア・スポイラーなどが、アダムの ’感じの良さ’ を損なっていると感じる向きもあるかもしれない。

ただしリア・ベンチやトランク・ルームなど、標準モデルに付いていた装備はグランド・スラムに残っているので、その辺はご心配なく。

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