ルノーが1960年代の「大衆車」を復活 全長4.1mのレトロな新型EV「4 Eテック」登場

公開 : 2024.10.16 06:05

ルノーが新型EV「4 Eテック」を発表した。1960年代の4(キャトル)を引き継ぐコンパクト電動クロスオーバーで、レトロフューチャーなデザインを特徴とする。欧州では2025年発売予定だ。

実用性を重視した新世代EV

ルノーは10月14日、新型EV「4 Eテック(4 E-Tech)」を欧州で公開した。1960年代の4(キャトル)の後継車とされるコンパクト電動クロスオーバーで、レトロでタフなデザインを特徴とする。

2025年に欧州市場で発売予定で、価格はまだ確定していないが、およそ3万ポンド(約585万円)弱になると予想されている。

10月14日開幕のパリ・モーターショーで公開されたルノー4 Eテック
10月14日開幕のパリ・モーターショーで公開されたルノー4 Eテック    AUTOCAR

ボディサイズは全長4140mm、全幅1800mm、全高1570mmと、すでに発売されている5 Eテックより一回り大きい。BセグメントSUVに相当し、ミニ・エースマン、ジープアベンジャーオペルモッカなどと競合することになる。

新型4 Eテックは、比較的手頃な価格設定、使い勝手の良さ、アドベンチャー的なデザインを武器とする。

初代4へのオマージュとして、3分割されたリアライト、ルーフ上のミニスポイラー、バンパーのオーバーライダー、ドアシルに沿って彫られた3本のラインなどが採用されている。初代と同様、オプションでファブリックルーフを装着することもできる。

デザイン責任者のジル・ヴィダル氏は、特に台形のリアクォーターウィンドウとボンネットのカットライン(初代のクラムシェル開口部のオマージュ)について、「すぐに(4だと)わかる部分」だと語った。

「(初代の)ルノー4に忠実でありたいと思いましたが、超モダンで将来まで守られ続けるものにしたかった。わたしの子供たちは(初代の)5や4にはあまり興味がないので、このクルマには独自のメッセージが必要なのです」

初代と同様、使いやすさと実用性はデザインの重要な要素だったとヴィダル氏は言う。「メッセージは実用性に関するものです。4という名前を裏切らないように、実用性を重視したクルマ作りをしなければなりませんでした」

例えば、容量420Lのトランクの開口部は地面から607mmの高さにあり、ライバル車より100mm低いとしている。これにより、荷物の積み込みが容易になり、トランクを椅子として使用することもできる。これもオリジナルへのオマージュだ。

トランクには、汚れた履物から充電ケーブルまでさまざまな物を収納できる35Lの床下バケット(取り外し可能)をはじめ、多数の収納スペースがある。

航続距離は最長400km

インテリアとしては、10.1インチのデジタル・ドライバー・ディスプレイ、10インチのグーグル搭載インフォテインメント・タッチスクリーン、ファブリックまたは合成皮革素材のシートなど、基本的なレイアウトは5 Eテックを踏襲している。

ホイールベースが5 Eテックよりも80mm長いため、その分室内空間が広くなっている。

10月14日開幕のパリ・モーターショーで公開されたルノー4 Eテック
10月14日開幕のパリ・モーターショーで公開されたルノー4 Eテック    AUTOCAR

ルノーによると、「Amprスモール」プラットフォームや電気モーター、バッテリーなど主要部品は5 Eテックと68%共有しているという。

4 Eテックでは2種類のパワートレインが用意される。最高出力120psのフロントマウント・モーターと40kWhバッテリーを搭載したモデルの航続距離は最長305km、最高出力150psのモーターと52kWhバッテリーを搭載したモデルの航続距離は最長400kmとなる。バッテリーは最大100kWの充電に対応する。

また、ルノーとして初めて、パドルで回生ブレーキのレベルを操作するワンペダルドライビングモードを採用した。このモードは今後、他のラインナップにも展開される見込みだ。

価格はまだ発表されていないが、ルノーは5 EテックとメガーヌEテックの間の価格帯になることを認めている。このことから、英国では3万ポンド(約585万円)弱で発売ということになりそうだ。

4 Eテックはフランス北部にあるルノーのEV拠点エレクトリシティで生産される。英国での納車は来年7月に開始される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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