フォード・フォーカス2.0 TDCi 185ST
公開 : 2015.01.23 23:50 更新 : 2017.05.29 18:54
ガソリン・エンジンこそホットハッチという名前を冠するに相応しいのだと思う向きには、ディーゼルと聞いて訝しむのも無理はないけれど、楽しさの点においてはガソリン・モデルにまったく引けをとっていない。
実際に乗ってみて2、3のコーナーを抜けてみてば、即座にこのクルマの素性の良さに気づくはずだ。
たしかにリアルなステアリング・フィードバックに欠けているのは筆者も認める。けれども正確性がたかいステアリングの仕立てにはもはや欠点は見つからないし、ゴルフGTDより遥かにクイックであるおかげで、自分の望んだ方向どおりに向きを変えていけるのは殊のほか気持ちがいい。
雨に濡れた九十九折を脱出するときのみ、ガソリン・モデルと同じようにアクセル・ペダルの踏み方に慎重になる必要があるけれど、11%もトルクが増えているのにトルク・ステアを簡単に躾けられるのはさすがである。
フォードいわくESP関連のソフトウェアをディーゼル専用に調整しなおしていることと、最終減速比を変えていることに、感動を生む種が仕掛けられているのだそうだ。
ただし、ディーゼルゆえに ’美味しい’ 回転域が1500-4000rpmまでしか続かない点には注意が必要。レブ・リミットまで突き抜けるような自然吸気特有の回転フィールが恋しくなることもあった。