【W12エンジンのクライマックス】16台限定のベントレー・バトゥール・コンバーチブルが最終テストへ

公開 : 2024.10.17 11:45

ベントレーの約20年間を支えたW12エンジンがフィナーレを迎えます。同社W12エンジンを搭載する最後のモデル、限定16台のバトゥール・コンバーチブルが最終テストの段階に入りました。

バトゥール・コンバーチブル

W12エンジンを搭載したバトゥール・コンバーチブルが最終認証テスト(製品が正式に市場に投入される前に行われる最終的な評価や検証)を開始したとベントレーは発表した。

このモデルは、ベントレーのカスタム部門であり世界最古のコーチビルダーであるマリナーによって手掛けられ、バトゥール・コンバーチブルは、マリナーのコーチビルドシリーズのバカラル・バルケッタおよびバトゥール・クーペに続く3番目の車種となる。

W12エンジン搭載、ベントレー・バトゥール・コンバーチブル。
W12エンジン搭載、ベントレー・バトゥール・コンバーチブル。

わずか16台のみ限定生産されるバトゥール・コンバーチブルは、W12エンジンを搭載したドロップトップ・グランドツアラーだ。

ベントレーは今年W12エンジンの引退を発表しており、最後のエンジンは7月に生産ラインを離れた。16台限定のバトゥール・コンバーチブルは、W12エンジンを搭載したフィナーレを飾る車両となり、750psを発揮するこれまでで最も強力なエンジンを搭載しているという。

検証活動(製品やシステムが設計や仕様通りに機能しているかどうかを確認すること)では、エンジンと車両全体の耐久性、環境適合性と日光シミュレーション、高速安定性、空力特性、騒音や振動、走行性能が行われる。

ゴールドの「オルガンストップ」式通気口コントロールの表面仕上げの品質から、新しいW12エンジンのハードウェアおよびソフトウェアに至るまで、120以上の個別テストで徹底的にカバーされる。

バトゥール・コンバーチブル「カーゼロ」と「エンジニアリングカー」という2台のプレシリーズ車両を使用して、58週間以上にわたる車両検証が予定されていると彼らはいう。

実世界でのテストキャンペーンは、ヨーロッパ5カ国を横断する3000キロメートルに及ぶ大規模なドライブから始まった。

ドイツを出発し、イタリア、フランス、スペインを経由して、山岳地帯、高速道路、都市部を走行。途中、モナコで撮影のために一時停車した後、スペインのIdiadaに向かい、プライベートテストコースを使用した高速テストが開始される。

テストコースでは、バトゥール・コンバーチブルがハンドリングトラックやさまざまな路面状況での耐久テストを開始し、高速走行や過酷な路面条件での評価が7週間にわたって行われ、これらのデータやフィードバックが活動中にすべて収集され、技術目標が達成されているかどうかが確認される。

最後のW12グランドツアラー

マリナー最高技術責任者 ポール・ウィリアムズのコメント

「エンジニアリング検証のための公道走行の目的は、実際の条件下で車両の性能、安全性、信頼性をテストすることです。これは、エンジニアがさまざまな環境、交通状況、天候条件下で車両がどのように動作するかを評価するために行われるので、テストコース以外の制御された試験環境では完全に再現できないものです。

このテストでは、潜在的な問題を特定し、システム統合を確認し、規制基準やお客様の期待に応えるためにとても重要です。このプロジェクトの開始時点で、この車が究極のオープンエア グランドツアラーであることは明らかです。外装デザイン、エンジンパワー、そして手作業で作られたインテリアまで、すべての要素が妥協なく創り上げられています」と述べる。

最後のW12グランドツアラー

W12エンジン搭載、ベントレー・バトゥール・コンバーチブル。
W12エンジン搭載、ベントレー・バトゥール・コンバーチブル。

バトゥール・コンバーチブルは、クーペ型モデルから引き継がれた革新的なデザインをさらに発展させ、最終的にベントレーの未来の車両デザインへと導くものとなると彼らは表現する。

これは、マリナーによって手がけられ、繊細な手作業で作られたバカラル・バルケッタやバトゥール・クーペに続くモデルだ。マリナーは長年培ってきた伝統を守りながら、個々の要望に合わせた独自の車両を作り続けている。

また、750psを発揮し、手作業で組み立てられた6Lツインターボチャージャーエンジンは、過去20年間にわたりベントレーの成功を支えてきた。W12エンジンの中で最も強力なバージョンをバトゥール・コンバーチブルへ搭載し、W12エンジンのフィナーレを迎える。

さらに、コンバーチブルのルーフは、ハードトップに代わる現代的で触覚的な美しさを提供。断熱材、シーリングシステムの改良、音響処理の組み合わせにより、快適で包み込むような環境が作られているという。

このシステムは、19秒以内に展開または格納することができ、車は最高50km/hの速度で走行しながら操作が可能で、ボタン一つで、豪華なクーペからオープントップのグランドツアラーへと変貌する。

マリナーのデザインチームは、専用に作られたマリナー・ビジュアライザーを使用して、顧客とともにバトゥール・コンバーチブルのデザインを共同制作。

このビジュアライザーでは、車のあらゆる部分をカスタマイズし、色や表面仕上げを選択することができ、無限に提供されるユニークな素材のサンプルがプロセスに質感を与え、顧客がデザインした個性的な車が完成する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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