【詳細データテスト】メルセデス・ベンツGクラス オンロードもソツない 燃費と加速には空力の壁あり

公開 : 2024.10.19 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★★★

基本的には、これまでどおりトラディッショナルなGクラスであり、メルセデスのほかの乗用モデルとは大きく異なっている。分厚い鋼板を用いたラダーフレームは、リアにライブアクセルを組み合わせる。プラットフォームを共用するモデルはなく、生産はオーストリアのグラーツにあるマグナ・シュタイアが手作業で行っている。

2024年の大幅変更では、G580ウィズEQテクノロジーが登場した。Gクラス初のピュアEVで、シャシーの左右レールの間に116kWのバッテリーを積む。

G63 AMGほど誇示していないが、G500もサイドマフラーを装備。運転席側にあり、先端は下向き。驚くほどスポーティな咆哮を路面へ叩きつける。
G63 AMGほど誇示していないが、G500もサイドマフラーを装備。運転席側にあり、先端は下向き。驚くほどスポーティな咆哮を路面へ叩きつける。    JOHN BRADSHAW

エンジンのラインナップも見直された。強烈なV8を積むG63 AMGは健在だが、G350dは姿を消し、マイルドハイブリッドのG450dがG400dに代わって設定された。AMGではないガソリン車であるG500には、CLE53と同じ3.0L直6マイルドハイブリッドが搭載される。

アップデート版と従来型の識別点はグリルだろう。クロームが排除され、横方向のスラットは3本から4本へ変更された。バンパーは角を落とした開口部が穿たれ、標準ラインナップもAMGモデルに近いルックスとなった。

新たなAピラーのクラッディングとスポイラーリップは、空力を改善し、風切り音を低減するとされている。とはいえこのフォルムだけに、Cd値は0.46と高い。なお、静粛性については、デッドニングの追加も寄与している。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事