【詳細データテスト】メルセデス・ベンツGクラス オンロードもソツない 燃費と加速には空力の壁あり

公開 : 2024.10.19 20:25

走り ★★★★★★★★☆☆

ブレーキをかけたままスロットルを踏み込むと身を捩るが、発進はスマートで、160km/hくらいまではかなり速く感じる。その先は、空気の壁を強く感じてしまう。向かい風と追い風では、193km/h到達タイムが2秒も違うのだ。

大型SUVのパワートレインとしては、ディーゼルのほうが自然だと思えるが、3.0L直6は2.5tのG500を簡単に走らせるわけではないものの、余裕あるトルクのおかげで実に立派な仕事ぶりを見せる。2本のサイドマフラーが発するサウンドは、Gクラスのトラックっぽさを忘れさせる。これをよしとするかは、好みによるだろうが。

空気抵抗の大きさは否めないが、パワーもトルクも余裕があるエンジンによって、高い動力性能を発揮する。ブレーキング時のボディの動きは大きいが、制動性能は低くない。
空気抵抗の大きさは否めないが、パワーもトルクも余裕があるエンジンによって、高い動力性能を発揮する。ブレーキング時のボディの動きは大きいが、制動性能は低くない。    JOHN BRADSHAW

ギアボックスは、メルセデスが多用する9速ATで、全体的にスムースかつレスポンスに優れるが、低速域では煮え切らないところがある。新型のマイルドハイブリッドはおおむねスムースで出しゃばらないが、素早い発進のためには切ったほうがいい。

ブレーキは、この手のクルマに予想しうる範疇としては出来がいい。サスペンションがソフトなのでピッチングはかなりあり、収束するには普通の乗用車より時間がかかるものの、安定感があり、制動距離はとくに悪くない。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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