弱点克服でベストバイに? スバル・クロストレックにストロングハイブリッド登場!

公開 : 2024.10.17 10:05

マイルドハイブリッドのネガがなくなった?

ほんのわずかだが、ダート路と広い駐車場で試乗する機会を得たのでその印象を記すこととする。ただし当日は雨で、ダート路ではスタックが続出したので性能を見極めるまでいかなかったこと、そしてテスト車はプロトタイプであったことは付け加えおきたい。

それでも垣間見えた素性は、とても良いものだった。特にマイルドハイブリッドでネガとなっていた、CVTによるアクセルレスポンスの遅れが改善されたのは朗報だ。これが最も感じられたのはダートの泥濘からの脱出で、僅かなレスポンスの遅れはスタックに繋がってしまうが、微妙なアクセルペダルコントロールにもしっかりと応えてくれたのだ。

マイルドハイブリッドでネガとなっていた、CVTによるアクセルレスポンスの遅れが改善されている。
マイルドハイブリッドでネガとなっていた、CVTによるアクセルレスポンスの遅れが改善されている。    スバル

これはオンロードでも同様で、発進時から加速時に至るまで遅滞なくスムーズに加速していく点は、マイルドハイブリッドとの大きな違いといえる。

一方で気になったのは乗り心地。まだプロトタイプのため個体差などもあるかもしれないが、マイルドハイブリッドと比較し、若干固めな印象だ。

例えば段差を超えた時の突き上げ感などを比べると、少し突っ張るような固さを感じるのだ。実際にはバネレートを少し上げた一方、ショックアブソーバーのロッド延長によって、よりスムーズに伸縮するようにしたと説明があり、またチェックバルブスプリングを追加したことで、減衰を僅かな振動に対してもしっかりと出しているとのことなので、もう少し走り込んでみて再度評価をしたいと思う。

これまでクロストレックには、CVTの違和感やあまり燃費が伸びないというネガティブな要因が付きまとってきた。しかしこのストロングハイブリッドを手に入れたクロストレックは、大きく躍進を果たせそうだ。長距離などテストドライブが楽しみな1台といえよう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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