アルピーヌV6ターボ/A610 UK版中古車ガイド(2) 部品をルノー車と共有 弱点は隠れたサビ!
公開 : 2024.11.02 17:46
購入時に気をつけたいポイント
ボディとタイヤ
これまでの走行で生じた破損や、ヘッドライトの状態に注意したい。フロントピラーに固定されたドアヒンジの劣化具合や、ドアが滑らかに開閉できるか、位置がズレていないかも確かめる。純正サイズのリアタイヤは、かなり高価だ。
シャシーのサビ
フロントのクロスメンバーとサスペンションマウント、バルクヘッド、ステアリングラック・マウント、側面のアウトリガーやサイドシル、ジャッキアップ・ポイント、リアのサブフレームなどは錆びやすい。燃料タンクも確認したい。
A610では、フロントのフロア部分やインナー・ホイールアーチも弱点となる。
エンジン
自然吸気のPRV V6エンジンは、ルノー30からの流用。ちなみに、デロリアンとも共有している。V6ターボは、ルノー25 ターボからの流用だった。ヘッドガスケットの劣化、エンジンオイル漏れ、オーバーヒートの痕跡などを確かめる。
カム・フォロワーからの異音、ターボチャージャー由来の白煙などもチェックポイント。エアインテークやラジエターの状態と、クーラントパイプのサビにも注意したい。
サスペンションとブレーキ、ステアリング
ステアリングラックと、サスペンション・ジョイントやブッシュ類の状態を観察する。ロワー・ウイッシュボーンは錆びやすい。
ブレーキキャリパーとハンドブレーキは固着しがち。A610のリア・ブレーキディスクは値段が高い。
インテリアと電気系統
スピードメーターとオドメーターは不調になりがち。過去の整備記録を遡り、走行距離が正しいかチェックしたい。燃料計も正確ではないことが珍しくない。
パワーウインドウとリアガラスの熱線、集中ドアロックなどが正常に動くか確かめる。レザー内装はオプションだった。交換部品は珍しいため、細部まで状態を確かめたい。
アルピーヌ V6ターボ/A610のまとめ
登場から40年が経過しても、優れた操縦性と乗り心地を兼ね備えた、運転の楽しいグランドツアラー。ボディに隠れて見えないシャシーのサビと、ボディパネルや内装部品の入手が困難ということが、大きな懸念事項といえる。
状態の良いクルマを探し出し、しっかりメンテナンスを施せば、同時代のライバルより遥かにローコストで特別な時間を味わえるはず。スタイリングも美しい。
良いトコロ
ボディはプラスティックとグラスファイバー製で錆びない。ジュニア・スーパーカーといえる見た目と性能を備えつつ、燃費は良好。ルノーの部品が多用され、維持費もそこまでかからない。
良くないトコロ
生産数が少なく、ボディやインテリアの部品は供給不足。得意とする整備士も少ない。外から確認できないスチール製シャシーのサビは、致命傷に繋がる。本格的な修理には、大々的にボディを剥がす必要がある。
アルピーヌ V6ターボ/A610(1984〜1995年/英国仕様)のスペック
英国価格:2万2815〜2万8500ポンド(1989年時)
生産数:1509台(V6 GT)/4639台(V6ターボ)/325台(ル・マン)/818台(A610)
全長:4330-4415mm
全幅:1754-1762mm
全高:1188-1197mm
最高速度:225-262km/h
0-97km/h加速:5.8〜7.5秒
燃費:7.1-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1140-1380kg
パワートレイン:V型6気筒2849cc 自然吸気SOHC/V型6気筒2458・2975・2963cc ターボチャージャーSOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:159ps/5750rpm-250ps/5750rpm
最大トルク:22.4kg-m/3500rpm-35.6kg-m/2900rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)
画像 部品をルノー車と共有する安心感 アルピーヌV6ターボ/A610 先代A310と現行A110 クリオ V6も 全114枚