【インドで爆売れ中】 スズキの世界戦略車、フロンクスが満を持して日本上陸!

公開 : 2024.10.17 12:35

操安性を含む乗り心地も日本の状況を考慮

もうひとつ大きな相違点は、操安性を含む乗り心地だ。

インドなどでは道路上にスピードを強制的に落とさせるため、スピードバンプと呼ばれるかまぼこ状の突起が多数あり、そこを気付かずに走行すると、相当なショックが伝わってくる。また、通常路においても荒れた路面が多いことから、そういったシーンに合わせたセッティングとなっている。

10月16日に都内で発表会を実施。コロナ禍などを経て、5年ぶりのリアル開催とのこと。
10月16日に都内で発表会を実施。コロナ禍などを経て、5年ぶりのリアル開催とのこと。    平井大介

しかし日本は路面状態が良く、スピードバンプはほとんどない。また、高速での移動も安全に、そして快適にこなしたいということで、日本仕様はアルミホイールの4穴から5穴に変更し、ホイールを取り付けるホイールハブも高剛性化。またタイヤについても、日本の路面に合わせ、燃費性能、静粛性、操縦安定性、乗り心地を実現するべく、日本専用に開発したものを採用している。

サスペンション自体も、重量が重くなっていることもあり、それに合わせてコイルスプリングのバネ定数を上げているほか、ショックアブソーバーやEPSについても日本の路面に合わせたチューニングが行われている。

そうしたことにより、「レーンチェンジやコーナリング時のロール、そして荒れた路面での乗員の体の揺れを抑えつつ、マンホールや橋の継ぎ目のような段差通過時のショックを抑えた乗り心地と、直進走行時のステアリングの中立位置が分かりやすく、安心感のある操舵力特性を実現している」と、乗り心地や操安性を担当した向畑信幸氏は語っていた。

こうして話を聞いていると、かなり高いレベルで操安性や乗り心地が両立されていることが伺えた。それでは実際に走らせてみてどうか、また、今回触れることができなかったデザインと合わせてレポートしたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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