カーボン製ボディにフォードの5.0L V8 ACコブラが現代技術で復活! 663psの試作車へ試乗
公開 : 2024.10.30 19:05
1960年代を象徴するACコブラが、現代技術で復活 カーボン製ボディにフォードのV8エンジン スーチャー付きで663ps 自然吸気は460ps 極めて魅力的な運転体験 英編集部が試作車へ試乗
もくじ
ーカーボン製ボディにフォードのV8エンジン
ースーチャー付きで663ps 自然吸気は460ps
ー望ましい運転姿勢 マッスルカーらしい雰囲気
ー乗り心地と姿勢制御の理想的な譲歩
ーACコブラ GTロードスター(欧州仕様)のスペック
カーボン製ボディにフォードのV8エンジン
英国のACカーズは、実際は廃業していたわけではない。だが、新たに資金を獲得したことで、再興を果たそうとしている。今回ご紹介するクラシックな見た目のロードスターは、まったく新しいコブラ GTなのだ。
見た目は、1960年代のコブラとそっくりかもしれない。それでも、クラシカルなスタイリングは素晴らしい。フィアットが復活させた500や、BMW傘下になって生き返ったミニほどではないが、しっかりモダンでもある。
絶えることなく、アップデートが繰り返されてきたようにも見える。コブラのレプリカを提供するメーカーは複数あるが、それらと混同されることもないだろう。ちなみに、北米ではコブラの名称を利用できず、GTロードスターだけを名乗る。
抑揚のあるボディは、AC傘下にある英国サセックス州の企業が製造する、カーボンファイバー製。シャシーは、押出成形されたアルミニウムを主材としている。
ボディサイズは、ひと回り大きい。コブラの原型となった、1950年代のACエースの頃より、大きくなったドライバーの体格へ対応するために。それでも、現代の基準では小柄。全幅は1980mmあるものの、全長は4230mmで、ホイールベースは2570mmだ。
ご期待通り、フロントに載るのはフォード由来のV型8気筒エンジン。5.0Lで、自然吸気とスーパーチャージャー付きを選択できる。トランスミッションは、トレメク社製の6速マニュアルか10速オートマチックが用意される。もちろん、後輪駆動だ。
スーチャー付きで663ps 自然吸気は460ps
最高出力は、試乗車のスーパーチャージャー付きの場合663ps。最大トルクは79.3kg-mを発揮する。自然吸気でも、460psと57.9kg-mが得られる。リアアクスルには、前者にはトルセン式リミテッドスリップ・デフが、後者には通常の機械式デフが組まれる。
サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーン式。フロント側はプッシュロッドを介してダンパーが動く。タイヤサイズは前が275/35 R21、後ろが325/30 R21。控えめな19インチも選択可能だ。
今回試乗したクルマは、英国では唯一となるプロトタイプ。というのは、開発の殆どはドイツで進められているから。この記事が公開される頃には、ドーバー海峡を渡りドイツへ戻される予定だという。
新しいコブラ GTロードスターは、英国で少量生産車として型式認証を得ており、基本的に各国で販売可能。納車開始は、2025年後半からが予定されている。
やり残した課題は沢山あると、ACの担当者は話す。確かに、プロトタイプということで、ブレーキのサーボやABS、アンチロールバーはまだ備わっていなかった。とはいえ、もっと完成度の低い量産車もあると筆者は思う。