ごく一般的な運転では、レスポンスや乗り心地に不満を感じることはないし、ボディ・ロールも最小限に抑えられている。簡単に、安全に運転できるうえ、TSIユニットのおかげで楽しさも担保されている。

そのTSIユニットだが、これが驚くほどなめらかに力を紡ぎだしてくれる。ミドル・レンジのトルクも十分で、せかせかとシフト・チェンジせずに済むのもいい。これならばスコダの期待通り、主力ユニットになるはずである。回転をあげてゆけば、聴くに心地いいサウンドを響かせてくれるのもファビアの長所だ。

前席のスペースはたっぷりとしており、ステアリングとシートの調整幅が大きいため、簡単に最適なポジションを見出すことができる。横方向からのサポートが豊富なのも体を安定させる手助けになっている。

視界も良好。どの方向にも把握しづらい部分が少ないのは嬉しい。また内装材のチョイスもうまく、スイッチ類がスマートに配されているので、いつだって居心地がよく感じられた。

後部座席の居住性もたかい。たとえ身長180cm程度の人が乗ったとしても窮屈に感じることはなく、足元にも余裕がある。これなら後ろに3人乗ったとしても問題なさそうだ。

荷室容量はシートを立てた状態で530ℓ、寝かせた状態で1395ℓ。ちなみにファビア・エステートよりも車格が大きいフォード・フォーカス・エステートの容量が476ℓと1502ℓとなっている。

ファビア・エステートがいかに日常におけるたかい実用性を兼ねそなえているかがお分かりいただけるのではないだろうか。トランク・カバーやたくさんの小物入れ、駐車券ホルダーなどがたくさんあるのもありがたい。