従来以上にシャープな切れ味! フォルクスワーゲン・ゴルフ Rへ試乗 全天候対応の万能アスリート

公開 : 2024.10.26 19:05

四駆の最強ゴルフがアップデート 2.0L 4気筒は332psへ ターボの回転制御も改良 扱いやすいMIB4インフォテインメント スムーズでニュートラルな操縦性 英編集部が評価

最高出力332psへ ターボの回転制御も改良

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIを凌駕する四輪駆動モデルとして、ゴルフ Rが登場してから22年。価格帯はすっかり上昇してしまったが、内燃エンジンの終焉が見える中で、ホットハッチの戦いは2025年も熱いようだ。

フェイスリフトを受けた最新ゴルフ Rのフロントに載るのは、2.0L 4気筒ターボガソリン。最高出力は、8ps増しの332psが与えられた。最大トルクは42.7kg-mで、これまでと変わらないが、発生回転域は2100-5500rpmへ僅かに拡大されている。

フォルクスワーゲン・ゴルフ R(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ R(欧州仕様)

シームレスなパワー特性を維持しつつ、従来以上の楽しみを生むため、ターボチャージャーの制御にも改良を受けた。アクセルペダルを緩めた状態でもタービンの回転数を高く保ち、鋭い再加速に備えるという。

またスロットルバルブは、アクセルオフでのオーバーラン時も、開いた状態が保たれる。これにより、ラリーマシンのアンチラグシステムのような特性を得ている。

トランスミッションは、改良された自社製の7速デュアルクラッチ・オートマティック。電子制御のトルクスプリット機能を備えた四輪駆動システムが、パワーを受け止める。

見た目の変化は小さめ 扱いやすいMIB4システム

フェイスリフトによる見た目の変化は小さい。エンジンとブレーキの冷却効率を求めて、フロントのエアインテークが拡大。バンパーの形状も練られ、高速域での安定性も高めている。

テールゲートには、大きなスポイラーをマウント。リアバンパー下部には新形状のディフューザーが与えられ、気流を整えつつ有効なダウンフォースを生む。とはいえ、印象は控えめ。20mm低い車高と広げられたトレッドが、スポーティな雰囲気を醸し出す。

フォルクスワーゲン・ゴルフ R(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ R(欧州仕様)

アルミホイールはラインナップを更新。試乗車には、鍛造のヴァルメナウ19インチ・ホイールが組まれていた。これは1本8kgで、標準の18インチより20%軽いという。

インテリアは、通常のゴルフと同等の内容でアップデート。インフォテインメント用タッチモニターは、従来の10.2インチから、12.9インチへサイズアップした。

システムもMIB4と呼ばれる最新版で、ホーム画面はカスタマイズ可能に。エアコンとシートヒーターのアイコンが、画面下部へ固定表示される。送風温度やオーディオのボリュームを調整するタッチセンサーには、イルミネーションが内蔵された。

MIB4システムは入力に対する反応が速く、メニュー構造も直感的。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには無線で対応し、スマホのワイヤレス充電パッドも用意されている。ライバルに並ぶ装備水準といっていい。

ステアリングホイールには、ゴルフ Rだけタッチセンサーが残された。他のゴルフにはない、レース・モードを選択できるように。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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