フェラーリ新型「F80」 F1技術融合、1200馬力のV6ハイブリッド搭載 史上最強ロードカーに

公開 : 2024.10.21 18:05

フェラーリが新型ハイパーカー「F80」を公開した。合計出力1200psのV6ハイブリッド・パワートレインを搭載する、ラ フェラーリの後継車だ。F1とル・マンカーにインスパイアされた最新技術と大胆な外観を持つ。

フェラーリ最新作

待望のラ フェラーリの後継車は、ル・マンで優勝経験のある499PとF1マシンの技術を融合させた電動V6パワートレインから1200psのパワーを引き出す、史上最もパワフルなロードカーだ。

「F80」と名付けられたこの新型ハイパーカーは、マクラーレンポルシェとの長年のライバル関係を再燃させ、2010年代初頭の「ハイパーカーの三位一体」を蘇らえることになりそうだ。

フェラーリF80
フェラーリF80    フェラーリ

新型F80の英国価格は300万ポンド(約5億8000万円)からで、799台限定(全数販売済み)となる。F40F50、エンツォ、ラ フェラーリに続き、フェラーリのロードカーのルールブックを書き換えると同時に、「革新の新たなベンチマーク」となる数々の技術を搭載している。

パワートレイン

F80のパワートレインの中核をなすのは、フェラーリの3.0L V6ツインターボの新バージョンだ。このエンジンの最大回転数は9200rpmで、296 GTBを駆動するユニットと比べると完全に作り変えられている。

ル・マンカーの499Pの部品が追加され、エンジン単体での最高出力は900psと、フェラーリがこれまで生産した中で最もパワフルなエンジンとなったが、296のエンジンと比較しても重くはない。

フェラーリF80
フェラーリF80    フェラーリ

V6エンジンと連動するのは、フロントアクスルに2基、リアに1基の計3基の電気モーターだ。フロントモーターは142psを発生し、リアモーターは「MGU-K」と呼ばれるエネルギー回生ユニットの形をとっている。

後者はフェラーリのF1マシンに搭載されているものと同様の設計で、ブレーキングによって最大95psで回生し、自動的にパワーギャップを埋めることができる。

フェラーリで初めて、F80には「Eターボ(電動ターボ)」が搭載された。F1由来の熱回収装置「MGU-H」に接続され、タービンとコンプレッサーの間に電気モーターを備えており、ターボラグを減らしてスロットルレスポンスを向上させる。

パワートレインの合計出力1200psは四輪に供給され、0-100km/h加速は2.15秒、0-200km/h加速はわずか5.75秒と謳われている。これはマクラーレンW1やメルセデスAMGワンを凌ぐものだ。

ステアリングホイールの「eManettino(eマネッティーノ)」スイッチでは、ハイブリッド、パフォーマンス、クオリファイの各モードを選択できる。

F80はプラグインハイブリッド(PHEV)ではないため、296のようなEVモードはない。容量2.3kWhのバッテリーがパワーブーストを実現し、低速・短距離のエンジンオフ走行を可能にする。

デフォルトのハイブリッド・モードはパワートレインの効率性を最適化するが、パフォーマンス・モードとクオリファイ・モードでは、F80のブースト最適化機能が利用できる。この機能は、サイティングラップ中にコースを記録し、次の走行時に必要に応じて(例えばストレートや上り坂などで)パワーブーストを行うものだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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