アルファ・ロメオ、2027年に最高級SUVを発売へ 販売拡大の鍵となる「第5」のモデルとは

公開 : 2024.10.23 18:05

アルファ・ロメオは2027年頃に新型の大型車を投入する計画だ。EセグメントのSUVになる可能性が高く、米国市場での販売拡大を目指す同社にとって鍵となる重要なモデルだ。

新たな大型車、米国市場に焦点か

アルファ・ロメオの新たな5番目のモデルラインは、最上級に位置するEセグメントの大型車となる。

同社の最高経営責任者(CEO)退任が決まったジャン=フィリップ・インパラート氏は、この新型車はおそらくSUVになるだろうと述べた。つまり、BMW iXポルシェカイエンなどのライバルになるということだが、後任のサント・フィシリ氏に熟考する時間を与えた上で、詳細を発表する考えである。

アルファ・ロメオは米国市場での販売拡大を目指している。(写真はジュニア)
アルファ・ロメオは米国市場での販売拡大を目指している。(写真はジュニア

インパラートCEOは14日に開幕した『パリ・モーターショー2024』で記者団に対し、「彼(フィシリ氏)は今後数か月の間、このEセグメント車の案について熟考できるだろう」と語った。

この新型車は親会社ステランティスの「STLAラージ」プラットフォームを採用する。STLAラージはエンジン駆動と電気駆動の両方に対応しており、後者は超急速充電(800Vシステム経由)が可能で、さまざまな高出力モーターと最大118kWhの大容量バッテリーを搭載でき、航続距離は約800kmとされる。

2025年の次世代ステルヴィオ、2026年の次世代ジュリアに続いて、2027年に登場する予定だ。いずれもアルファ・ロメオ独自の「ジョルジオ」プラットフォームを引き継ぐのではなく、STLAラージ・プラットフォームへ切り替える。

インパラートCEOは、この変更にもかかわらず、次世代のステルヴィオとジュリアはアルファ・ロメオらしいドライビング・ダイナミクスを「維持」できるだろうと述べ、STLAラージ・プラットフォームで「実現可能なパフォーマンスのレベルは非常に、非常に印象的」だとした。

ステランティスのマルチエネルギー戦略の一環として、ハイブリッド車とEVが導入される予定であり、消費者の需要に応じて、生産を100%いずれかにシフトすることも可能である。

次世代のステルヴィオとジュリアは、すでにイタリア、ドイツ、米国で一部の顧客向けに公開されており、インパラートCEOはその反響について「大成功!」とだけ述べた。

アルファ・ロメオの業績全般については、コスト削減と車両価格の値上げにより、「数億の損失から数億の利益」に転じたという。

インパラートCEOは、同社は販売台数を追うのではなく収益性を追求しており、販売された全車で高い利益率を確保し、「在庫はクリーン」で、生産されたすべてのクルマが購入者の手に渡っていると述べた。

14日のパリ・モーターショーでは、ステランティスのカルロス・タバレスCEOが合併当初のアルファ・ロメオについて「深刻な赤字に陥っていた」と発言した。はじめは「売却対象だった」が、その後「黒字転換した」という。

タバレスCEOは、現在では「十分な利益を上げている」と述べたが、ステランティスはブランド個別の業績を公表していない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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