ちょっとマイナーな「珍車」ばかり! VWの博物館がすごかった 秘密のコレクション 18選
公開 : 2024.11.16 18:05 更新 : 2024.11.16 22:16
1972年 T2 GT70
自動車業界では一般的に、「GT」というイニシャルは高速かつ高性能なクルマを表すものだ。しかし、フォルクスワーゲンT2(ワーゲンバス)の場合、実験的なガスタービンエンジンが搭載されていることを意味する。
フォルクスワーゲンは量産化の可能性を探るため、米国のウィリアムズ・リサーチ・コーポレーション社の協力を得てこのプロトタイプを製作した。最高出力75psのガスタービンは従来のピストンエンジンよりもコンパクトで、効率性に優れていた。しかし、重量がはるかに重く、生産コストも高かったため、開発はすぐに中止となった。
1973年 ベイシス・トランスポルター
フォルクスワーゲンは、新興国向けの低価格トラックとしてベイシス・トランスポルター(Basis-Transporter)を構想した。そこで、生産コストが安く、基本的な工具だけで修理可能なシンプルな構造が求められた。
ベイシス・トランスポルターでは簡単にボディを付け替えたり、拡張したりすることができるラダーフレーム構造を採用し、同社おなじみの空冷式水平4気筒エンジンを搭載。エンジンは運転席の真下に配置され、トラック後部のスペースを最大限に活用できるようにした。
博物館に展示されているベイシス・トランスポルターはプロトタイプだが、1976年に社内ではEA489と呼ばれる量産モデルが誕生した。一般には「ホーミガ(Hormiga:スペイン語でアリの意)」という愛称で知られ、ドイツのハノーバーでCKD(コンプリート・ノックダウン)キットとして生産されたほか、メキシコのプエブラでも現地市場向けに生産された。生産台数は約6200台。
1973年 プラッテンヴァーゲン
1946年当時、フォルクスワーゲンのウォルフスブルク工場にはフォークリフトがなかったため、従業員たちが創意工夫を凝らして最初のプラッテンヴァーゲン(Plattenwagen)を製作した。ビートルのシャシーに金属製の荷台を載せ、そのリアアクスル上に運転席(屋根はあったりなかったり)を取り付けたのだ。
この原始的なピックアップトラックは、工場内の部品運搬や従業員へのお茶の配給など、さまざまな用途に使用された。1946年から1973年の間に数十台のプラッテンヴァーゲンが製作され、フォルクスワーゲンはこの独創的な車両がT2(ワーゲンバス)の誕生につながったと振り返っている。博物館に展示されている車両は1973年に製作されたもので、最高出力50psの1.6L空冷式水平対向4気筒エンジンを搭載している。
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