ちょっとマイナーな「珍車」ばかり! VWの博物館がすごかった 秘密のコレクション 18選
公開 : 2024.11.16 18:05 更新 : 2024.11.16 22:16
1973年式 T2bオープンエア
構造的強度やボディ剛性などお構いなし。フォルクスワーゲンは1973年にバスから屋根を取り払い、T2bオープンエアという名のオープントップモデルを誕生させた。良くも悪くも、一般向けには販売されなかったが、「アイン・プラッツ・アン・デア・ゾンネ(Ein Platz an der Sonne:陽の当たる場所という意味)」というドイツのテレビ番組で使用された。
1975年 キッコ
コンパクトでありながら室内の広いシティカーというフォルクスワーゲンのビジョンを体現したのが、このキッコ(Chicco)である。全長約3.3mと短いが、4人の乗員が比較的快適に過ごせるだけのスペースが確保されていた。不可能とも思えるこの偉業は、フォルクスワーゲンが1970年代に開発した技術によって達成された。
キッコの動力源は、最高出力40psの0.9L 3気筒エンジンである。基本的には水冷直列4気筒エンジンからシリンダーを1つ取り除いたものだ。エンジンは横置きで前輪を駆動し、エンジンルームのサイズを小さく抑えることができた。キッコは試作にとどまったが、フォルクスワーゲンのその後のシティカー開発に影響を与えた。
1976年 ロボモビル
流線型のグラスファイバー製ボディを持つロボモビル(Rovomobil)だが、はじめはごく普通の1949年型ビートルとして西ドイツで誕生した。その後東ドイツに移り、しばらくは何事もなく平凡な生活を送っていたと思われるが、最終的には熱狂的なファンであるエバハルト・シャルノフスキー氏とブルク・ギービヘンシュタイン氏の手に渡った。
1976年、彼らはビートルからボディを取り外し、手に入る部品や材料を使って、他に類を見ないスポーツカーを作り上げた。ロボモビルのフロントガラス、ワイパー、シートはヴァルトブルク353から、ライトはトラバント601から取り付けられている。最高出力35ps、1.2Lのフラット4エンジンは、オリジナルのビートルと同じである。
1977年 パサートGTI
1975年の初代ゴルフGTIの登場以降、フォルクスワーゲンがGTIモデルのラインナップ拡大を図るのも時間の問題だった。2年後の1977年、最高出力110psの1.6L 4気筒エンジンを搭載した実験的なパサートを開発。ゴルフよりも車重は重いが、それでも印象的なパフォーマンスを発揮した。サスペンションの改良によりハンドリングが改善され、おなじみの赤いアクセントで外観をスポーティに仕上げている。
エンジニアたちはパサートGTIを公道で徹底的にテストし、その出来栄えに感嘆したが、経営陣は開発中止を命じる。パサートはファミリーカーであり、ホットロッドではないというのが彼らの主張だった。それでも、最高出力110psのエンジンは、快適性を重視した最上級モデルのGLIに搭載されることになった。
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