【もうあの頃とは違う】ジャパンモビリティショーが担う役割とは

公開 : 2024.10.24 06:05

35テーブル用意された『ビジネスマッチングエリア』

中央奥にはステージがあり、ステージプログラムが連日用意され、オンライン視聴を含めて6773人が参加した。昨年のステージイベントは4万2000人以上というので、期間の違いを考えてもポテンシャルはもっとありそうだ。

では目的のひとつである、モビリティ関連企業と次世代を担うスタートアップ企業の共創はどうだったのだろうか。

真ん中に大きく設けられた商談スペースが、ショーの意味合いが大きく変わったことを感じさせる。
真ん中に大きく設けられた商談スペースが、ショーの意味合いが大きく変わったことを感じさせる。    平井大介

こちらについては8月20日から、出展企業のシーズやニーズの把握、商談予約などを行えるオンラインコミュニケーションツール「Meet-up Box」を稼働しており、1891件が登録され、848件のマッチングが成立したという。

昨年はブース出展やビジネスマッチングを経た商談の継続数が430件以上と発表されているので、この部分はしっかり機能していたことがわかる。

会場でとあるスタートアップに聞いたところ、CEATECに出展している大手企業などがブースを訪ねてくるなど、予想以上の広がりを感じたという。CEATECとの共催はメリットもあるというわけだ。

対照的だったのが記事の露出で、プレスデーがない上に、イベントそのものの規模が小さかったこともあってか、昨年と比べると格段に少なかった。

来場者数の発表は今回はないようだが、前に紹介したCESやSXSWも、来場者数は昨年のJMSと比べてはるかに少ない。それがビジネス向けイベントの標準なのだろう。でもその割には、メディアで多く取り上げられる。それを考えると、プレス向けの対応はもう少し踏み込んでもよかったと感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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