トヨタ・プリウス・プラグイン
公開 : 2012.07.25 17:06 更新 : 2021.01.28 18:21
■どんなクルマ?
世界で最も有名なハイブリッド・カー、プリウスを超えた、47.6km/lの燃費と49g/kmのCO2排出量を誇るモデルがプリウス・プラグインだ。トヨタはどのようにして、この印象的な数値を得ることができたのだろうか。それは、3代目プリウスがデビューして以来、2シーズンかけて、600に亙るテストを行なってきた結果の産物だ。そして、それはプリウスの中で最も高い27,895ポンド(338万円)という価格で販売される。
■どんな感じ?
プリウス・プラグインは、他のプリウスと非常に似ている。このモデルがプラグインであることを知るのは、ボディ両側のフィラー・フラップぐらいだ。
もちろん、本当の違いはその皮膚の下にある。通常のプリウスはニッケル水素バッテリーだが、より広いレンジを持つリチウム・イオン・バッテリーに交換されている。このバッテリー・パックは、通常のものより36kg重い。しかし、ラゲッジ・ルームにはそれほど大きな影響は及ぼさず、標準のプリウスから犠牲になったのは僅かに2リッター、合計443リッターの荷室容量が確保されている。また、バッテリー・パックを含み、そのボディ・ウエイトは50kg重くなっている。
プリウス・プラグインは、単に電力だけで動く能力も、プリウスが最高速度50km/hで到達距離2kmだったのに対し、プラグインは最高速度82km/hで25km走ることが可能となっている。ちなみに、バッテリーの再充電は90分かかる。
プラグインはスタート時はEVがデフォルトだ。従って、出だしはその重さもあってやや鈍い感じがする。しかし、そのまま、右足に力をいれれば、1.8リッターのガソリン・エンジンに火が入りハイブリッド・モードに移行する。
HV-EVボタンを押すことによって、ハイブリッド・モードにならないようにすることも可能だ。もちろん、通常の走りでは、EVとHVの切り替えはスムーズで、意識することはない。
もし、1日の走行距離が短いのあれば、45リッターの燃料タンクの中身はほとんど減ることがなく、地元のガソリン・スタンドにも馴染みが薄くなることだろう。
乗り心地自体は弾力性のありつつも、しっかりとした感じがするものだった。但し50kgの重量増加は、大きいバンプなどを乗り越える時には流石にショックを吸収しきれない時があった。とは言え、15インチという小さいサイズのホイールは、プラス方向に働いている。また、ステアリングは大変正確で、フィーリングも良かった。
■「買い」か?
プリウスのユーザーは、プリウスへのロイヤリティが高く、そして裕福だ。ほとんどが、最高スペックのモデルをオーダーする。そういう意味で、プラグインは格好のモデルである。
また、コストは上がりウエイトは重くなったものの、EVモードで走ることのできるレンジが大きくなったことも、プリウス・ファンクラブを黙っておかせないだろう。
(マーク・ティショー)
トヨタ・プリウス・プラグイン
価格 | 27,895ポンド(338万円) |
最高速度 | 180km/h |
0-100km/h加速 | 11.4秒 |
燃費 | 47.6km/l |
Co2排出量 | 49g/km |
乾燥重量 | 1425kg |
エンジン | 4気筒1798cc+電気モーター |
最高出力 | 133bhp |
最大トルク | NA |
ギアボックス | CVT |