イタリア高級ブランド、マセラティ「赤字」 マーケティングに問題あり ステランティスCEOが痛烈な指摘

公開 : 2024.10.25 06:25

ステランティスのカルロス・タバレスCEOは、マセラティが「赤字」であるのは明確なポジショニングが確立されていないためだと述べた。経営陣を刷新し、課題解決に取り組む。

ブランドが不明確 経営陣を刷新

14の自動車メーカーを傘下に収めるステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は「マセラティに問題を抱えている」と述べ、解決が必要だとしている。

今月初め、ステランティスはマセラティのCEOであるダビデ・グラッソ氏を解任し、その後任にサント・フィシリ氏を据えた。フィシリ氏は同じイタリアンブランドであるアルファ・ロメオのトップも兼任する。

マセラティの経営課題は「マーケティング」にあるという。
マセラティの経営課題は「マーケティング」にあるという。

フィシリ氏は最近まで、ステランティスのイタリア部門を率いていた。

「マセラティは赤字だ」と、タバレスCEOは14日に開幕した『パリ・モーターショー2024』で語った。

「マセラティが赤字なのは、マーケティングという非常に具体的な理由によるものだ」

「ブランドのポジショニングが不明確で、ブランドに関するストーリーテリングも本来あるべき姿ではない。マセラティはスポーツカーだけを扱うブランドではなく、グラントゥーリズモもあり、『ラ・ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)』もあり、テクノロジーもある」

「問題は我々のマーケティングのやり方にある。製品に問題があるわけではない。だからこそ、ブランドのCEOを交代させた。数多くの試みを重ねたが、残念ながらチームは成功できなかった。考え方やアイデアを変えなければならない」

タバレスCEOのコメントを受けてAUTOCARの取材に応じたフィシリ氏は、マセラティのマーケティングとポジショニングの改善に「全力を傾ける」と語った。「やるべきことがある。カルロス・タバレスからは明確なメッセージと目標を受け取っている」

フィシリ氏は、新たに担当することになった2つのブランドに「惚れ込んでいる」とし、マセラティについては「人々の力を借りて、もう一度作り直す」必要があり、また自分と同じように「ブランドに惚れ込んでいる」人材が必要だと語った。

マセラティとアルファ・ロメオは別個のブランドとして存続するが、「可能な限り、ベストプラクティスを共有する」という。フィシリ氏はまた、「一方はプレミアム、もう一方はラグジュアリーだが、共有できる」と付け加えた。

記事に関わった人々

  • マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事