海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編

公開 : 2024.11.17 18:05

自動車の世界でも、さまざまな流行が生まれては消えていく。大ブームとなったもの、悪趣味なもの、そして今でも人気を集めているものなど、興味深い「流行」をピックアップして紹介する。

生まれては消えていく流行

派手なエアロパーツやマットカラー、グリルガードなど、クルマの世界にはさまざまな流行、トレンド、ファッションがあった。実用的なものもあれば、現実離れしたものもあり、今ではすっかり見かけなくなったものも多い。

今回は主に米国や欧州で注目を集めた、奇妙で興味深い「流行」の数々を見ていきたい。

主に欧米で人気を集めた「クルマの流行」を紹介する。
主に欧米で人気を集めた「クルマの流行」を紹介する。

マットカラー

光沢の少ないマットカラーはもともと、航空機などのステルス性を高める(敵側のレーダーに映りにくくする)ものとして軍隊では数十年にわたって使用されてきた。自動車業界では反対に、ライバルと差別化を図り、目立たせる手段として好まれている。

その流行にいち早く乗ったのが、BMW M3(E90型)や第2世代のフォード・フォーカスRSだった。BMWは「フローズン・エディション」という特別仕様車にマットカラーを採用したが、洗車するだけで質感が損なわれてしまうため、手入れが難しい。また、鳥の糞が付着した場合はすぐに取り除かなければならない。こうした煩わしさから、今後もマットカラーが主流になることはないだろう。

マットカラー
マットカラー

スピナーホイール

スピナーホイールは米国西海岸のカスタムカー文化から生まれたもので、停車時も車輪が回転しているように見せることができる。内側のホイールが止まっていても、外側のローターは回転し続ける。

しかし、停車中のクルマが動いているように見えてしまうことや、高速走行中にスピナーが外れる危険性など、安全上の懸念もある。スピナーホイールは一時的に脚光を浴びたが、今ではすっかり下火となっている。

スピナーホイール
スピナーホイール

レーシングカー風のリアウィング

モータースポーツの黎明期から、普通のクルマにもレーシングカーのスタイルを取り入れるのが人気だった。その中でも根強いトレンドとなっているのが、大型のリアウィングだ。レーシングカーのウィングが大型化・高度化するにつれ、後付けのアフターマーケット品も多様化してきた。

ただし、ダウンフォースとエアフローを最適化するために入念に設計されたレース用パーツと、一般的な市販車に後付されるものとでは大きな違いがある。ランボルギーニカウンタックに導入されたリアウイングもそうだが、後者はほぼ間違いなく重量と空気抵抗を増やすだけである。

レーシングカー風のリアウィング
レーシングカー風のリアウィング

CB無線

1970年代から80年代にかけて、米国市民の間ではいわゆるCB無線(市民ラジオ)が全盛だった。子供たちの間でも、無線用語を真似て会話の始まりに「ブレイカー、ブレイカー、ワン・ナイン(breaker, breaker one-nine)」をつける遊びが流行った。

こうした流行は、映画『コンボイ』や『トランザム7000』といった長距離トラックを題材にした映像作品の数々から生まれた。この流行により、米国のトラック運転手の隠語によるミステリアスな世界が一般に知られるようになり、乗用車にも浸透していった。

CB無線
CB無線

1990年代に入ると、手頃な価格の携帯電話が普及したことで車載CB無線は廃れていったが、米国では今でも通信手段として多くのトラック運転手が使い続けている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事