海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編
公開 : 2024.11.17 18:05
シザードア
1980年代のモーターショーに行けば、ランボルギーニ風のシザードアを装備した特注車を数多く見ることができた。平凡なハッチバックからロールス・ロイスまで、さまざまなクルマが改造の対象となったが、成功の度合いや技術的な整合性には程度の差があった。
今でもシザードアの改造キットを販売している業者はあるが、2000年代半ばの改造車ブームの失速とともに、このトレンドも衰退した。
4×4サスペンションのリフトアップ
世界中でSUV人気が高まるずっと以前から、オフロード走行には四輪駆動システムが欠かせなかった。地上高を高くする必要性から、サスペンションのリフトアップ機構の開発が進められた。ボディを持ち上げ、過酷な路面状況でもタイヤや車軸に十分なクリアランスを確保する。
一般道しか走らないドライバーたちもその外観を気に入った。1980年代には、ピックアップトラックから高級SUVまで、脚立がないと乗り込めないほど車高を上げることが流行した。このトレンドの究極形態が、ショーイベントで巨大なジャンプ台を跳んだり、クルマを踏み潰したりして観客を楽しませるモンスタートラックだ。
車高短
ワイド&ローのスタイルはもともと、ハンドリングを向上させたいという願望から生まれたものだ。見た目はドリフト車とよく似ているが、独自のスタイルを確立し、機能よりも見た目が重視されている。
ドリフト文化の盛んな日本が発祥であり、日本車をベースに改造することが多い。海外では一般的に「スタンスドカー(Stanced cars)」と呼ばれる。このスタイルは今や世界中に広まり、タイヤを可能な限り幅広のリムに装着するなど多くのサブセクションが生まれている。
金のバッジ
金メッキや純金製のバッジや装飾品で愛車を際立たせようとするオーナーは昔からいる。レクサスが金のバッジを装着し始めると、ボンネットやトランクにキラキラ輝く装飾品を付けるクルマが急増した。その狙いは、さりげなく高級感を演出することだが、実際には露骨でやや下品な印象を与えることが多い。
マクラーレンはスピードテールに18金ホワイトゴールドのバッジ(オプション)を付けて、オリジナリティを強調した。もっと希少なプラチナを選ぶことも可能だ。
テールフィン
テールフィンを量産車に取り入れた人物として、GMのチーフデザイナーであるハーレー・アール(1893~1969)氏を紹介することが多いが、その後輩のフランクリン・クイック・ハーシー(1907~1997)氏の功績とする見方もある。いずれにしても、テールフィンは1948年のキャデラックを皮切りに、1950年代を通じてあらゆる米国車で急速に普及し、サイズも存在感も大きくなっていった。
テールフィンは世界中で取り入れられ、流行のピークは1959年のキャデラック・エルドラドだ。1960年代に入ると、テールフィンは古いというイメージが広がり、もっと実用的なデザインが好まれるようになったため、徐々に姿を消していった。