半世紀前のスポーツカーが復活 クラシカルな外観に現代的装備 ジャガー「Eタイプ」2台限りの記念モデル

公開 : 2024.10.28 06:05

ジャガーはEタイプ生産終了から50周年を記念して、2台の復刻モデルを発表した。オリジナルの設計図を基にアレンジを加えながら、Bluetoothなど現代的な機能を備えている。

初期型をベースに後期型のテイストを追加

英国のジャガーは、かつて生産されていたスポーツカーEタイプ」の引退から50年を記念して、2台の特別な復刻モデル「Eタイプ・コメモラティブ(E-Type Commemorative)」を発表した。

ジャガーのヒストリックカー部門であるジャガー・クラシックが、オリジナルの設計図を基に、東南アジアの顧客向けに一から製作したものだ。

ジャガーEタイプ・コメモラティブ
ジャガーEタイプ・コメモラティブ    ジャガー

この2台は初期のシリーズI(S1)仕様をベースとしながら、後期のシリーズIII(S3)にインスパイアされたデザインとなっている。どちらもドロップヘッド・クーペで、1台はシグネットグリーン、もう1台はオパールブラックで仕上げられた。

パワートレインは、1961年から1964年までEタイプに搭載されていた3.8L直6だが、オリジナルの3連SUキャブレターの代わりに電子制御燃料噴射装置が採用され、トランスミッションは4速ではなく5速マニュアルとなっている。

最高出力などは公表されていないが、シリーズIの265psを上回ることは間違いない。

室内にはBluetoothやフロントガラスヒーターなどの快適装備が「さりげなく」組み込まれている。

手織りのブリッジ・オブ・ウィアーのタンレザーシート、オリジナルの設計図が刻印されたアルミニウム製センターコンソール、ローレット加工されたシルバーのトグルスイッチなども特徴的だ。

また、バッジは英国バーミンガムの有名なジュエリー会社、ディーキン&フランシスが18金とマザー・オブ・パールで作成したものである。

2台のEタイプ・コメモラティブの価格はまだ明らかにされていないが、ジャガー・クラシックが2021年に発表したEタイプのレストアモデルの31万5000ポンド(約6200万円)を大きく上回るだろう。2台の製作にはそれぞれ2000時間以上を要したとされている。

ジャガーは12月に次世代EVのコンセプトモデルを発表する予定だが、その後約1年間は新車の販売は行わず、2026年の全面的なEVシフトに向け、アフターサービスとブランド・ポジショニング活動に注力する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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