胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!

公開 : 2024.11.23 19:05

ポルシェと共同開発のPPEを基礎骨格にするQ6 e-トロン シングルフレームグリルは継承 ワイドなモニターパネル獲得 388psでも不満なし 後ろから押し出される感覚 英編集部が評価

ポルシェと共同開発されたPPE

アウディ最新のバッテリーEV、Q6 e-トロンで真っ先に触れるべきことが、PPEと呼ばれるプラットフォームだ。完全な新設計で、プレミアム・プラットフォーム・エレクトリックの略となる。

2021年のアウディQ4 e-トロン以来となる新モデルへ向けて、ポルシェと共同開発されている。電動のマカンと共有するだけでなく、間もなく登場するアウディA6 e‐トロンなど、多くのモデルの基礎骨格をなしていく。

アウディQ6 e-トロン・クワトロ・ローンチエディション(英国仕様)
アウディQ6 e-トロン・クワトロ・ローンチエディション(英国仕様)

PPEは、フォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームの兄弟ともいえる。だが技術的な水準はより高く、高級志向のモデルに展開される。

電動パワートレインは、電圧800Vで制御。駆動用モーターも新アイテムで、全長を伸ばしパワーを高めつつ、コイルの高密度化やダイレクト油冷技術、材料の最適化などで、電費の向上が図られている。

このQ6 e-トロンは、数字の大きさが示すとおり、Q8とQ4の間に収まるSUVだ。ちなみに今後、アウディは内燃エンジンを積むモデルに奇数を、電気モーターで走るモデルに偶数を与えるという。Q6は、従来のQ5の電動版と考えて良い。

シングルフレームグリルは継承 特徴は新しい

1番ベーシックな仕様は、シングルモーターの後輪駆動。クワトロとSQ6では、ツインモーターの四輪駆動となる。リア側は永久磁石同期ユニットで、フロント側は空転時のロスが小さい非同期誘導ユニットが用いられる。

駆動用バッテリーの容量は、エントリーグレードのスポーツで75.8kWh。スポーツ・パフォーマンスとクワトロ、SQ6では94.9kWhへ増量される。バッテリーは、180本の角柱セルで1モジュールが構成され、後者の容量では12モジュールが載るそうだ。

アウディQ6 e-トロン・クワトロ・ローンチエディション(英国仕様)
アウディQ6 e-トロン・クワトロ・ローンチエディション(英国仕様)

英国仕様のサスペンションは、通常はコイルスプリング。だが試乗車のローンチエディションには、エアスプリングが組まれていた。車高は28mm低いが、オフロード・モードを選択すると45mm高くできる。

ボディはシングルフレーム・グリルを継承しつつ、スタイリングの特徴は新しい。エンジンを冷やす必要がないためグリルに穴はなく、ボディカラーと同色で塗装。ヘッドライトは上下2段に分かれ、テールライトは細いバーで左右が結ばれる。

従来のようにシャープな印象はないが、ホイールアーチのキャラクターラインは、1980年代のアウディ・クワトロを想起させる意味がある。サイドのブラックトリムは、バッテリーの位置を表現したという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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