海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれアイテムから悪趣味な改造まで 34選 後編
公開 : 2024.11.17 18:25
ダンプバルブ
ダンプバルブは、ターボチャージャー付きエンジンをチューニングする上で重要な役割を担っている。スロットルを戻したときに圧縮ガスを逃がし、ターボが素早く回転して即座に反応できるようにする。主にラリーでチャタリングなどの「音」で注目を集め、真似をする人が続出した。
1990年代のほとんどのターボ車にはダンプバルブを簡単かつ安価に取り付けることができ、金曜日の夜になると、各地で口笛のようにチャタリング音を聞くことができた。多くの場合、性能には特に影響しないため、機能性よりも音が好まれているのだろう。
ボンネットダクト
古いクラシックカーでは、エンジンを冷やすシンプルな方法としてボンネットにダクトが付いていた。しかし、1986年にフォード・シエラ・コスワースが登場して以来、欧州ではスポーツカーの必需品となった。
シエラ・コスワースではエンジンルームへの空気取り入れ口として有効だったが、アフターマーケット品では、ただ取り付けるだけのものも多い。また、むやみに穴を開けるよりも大型のラジエーターを装着する方が効果的だ。
フリップペイント
1990年代、塗装技術の進歩により、フリップペイント(偏光性塗料)が簡単かつ手頃な価格で行えるようになった。ツートンカラーなどとは異なり、偏光効果を利用して、角度によって色が変わって見えるものだ。
TVRはいち早く市販車にこの技術を採用し、MGなども後に続いた。フリップペイントで再塗装された改造車も多く見られたが、カスタムの手法が増えたこともあり、知らぬ間に衰退していった。
ビーズのシートカバー
世界中のタクシードライバーから愛されているビーズ織りのシートカバーは、1960年代のアジアの暑い地域で生まれた。シートと身体の間に風を通しながら、しっかり身体を支えることができる。一部では、ビーズ織りのシートカバーには治癒効果があるという主張もあるが、科学的に証明されているわけではない。
ヘッドレストの根元に紐を巻き付けるだけで簡単に固定でき、アクセサリーとしては非常に長く使われ続けている定番のアイテムだ。もちろん今でも購入でき、クリームやブラウンのカラーが一般的だ。
ふわふわのサイコロ
さまざまな流行の中でも、ふわふわのサイコロほど「機能よりファッション」を重視しているものはない。人生をあまり深刻に考えていないことを他車に伝えるための手っ取り早いアイテムであり、ネタ的なプレゼントとしても根強い人気がある。また、1950年代や60年代のクラシックカーでもよく見かける。
このサイコロの起源は、第二次世界大戦で戦闘機パイロットにさかのぼる。幸運のお守りとして、小さなおもちゃを持ち歩いていたのだ。その後、米国のテキサス・インスツルメンツ社のマーク・シェパード・ジュニア氏が、同僚をからかうためにジョークとしてふわふわのサイコロを贈った。
これががきっかけで、大きな評判を呼び、やがてクルマのバックミラーに飾られるようになった。バックミラーに引っ掛けたり、吸盤で窓に貼り付けたりするのが一般的で、ハンギングダイスとも呼ばれている。