CATLがハイブリッド車向けの高性能バッテリー発表 航続距離400km、急速充電にも対応

公開 : 2024.10.29 06:05

中国バッテリー大手CATLが、PHEV向けの駆動用バッテリーを発表した。容量などは不明だが、電気だけで最長400kmを走行可能とされる。すでに長安汽車などが採用しているという。

長安汽車らが採用 PHEVに特化した電池

中国のバッテリー企業、CATL(寧徳時代新能源科技)は、ハイブリッド車向けの新型バッテリーを2025年に発売する。電気だけで最長400kmの走行が可能だという。

同社が開発した「フリーボイ・スーパー・ハイブリッド・バッテリー(Freevoy Super Hybrid Battery)」はPHEV用に特化したもので、充電能力と寒冷地でのエネルギー効率も現在の水準を上回るとされている。

CATLがPHEVに特化したバッテリーを発表した。
CATLがPHEVに特化したバッテリーを発表した。    CATL

はじめに理想汽車(Li Auto)と長安汽車に供給し、他のメーカーでも採用予定だという。

CATLは主にEV向けのバッテリーを生産してきた。顧客企業には、ボルボBMWフォード、そしてテスラも含まれる。

今回のPHEV向けバッテリーは、エネルギー密度のバランスをとるためにナトリウム・リチウム化合物を使用している。これにより、最長航続距離400kmを実現したと同社は主張しているが、そのサイズや容量の詳細はまだ明らかにしていない。

この数値は、比較的有利な中国小型車テストサイクルによって算出されたものと思われる。現在販売されているPHEVの中で最も電気航続距離の長いポールスター1は、欧州WLTPサイクルで150kmである。

CATLによると、新バッテリーは、推進力としてエンジンよりも電気モーターに依存するPHEVモデルに対する需要の高まりに応えるために設計されたという。

フリーボイ・スーパー・ハイブリッド・バッテリーの画期的な点は、急速充電が可能なことだ。CATLによれば、4Cの充電レートでは、わずか10分で280km分の航続距離を賄えるという。

既存のPHEVの多くはバッテリー容量が比較的小さいため、頻繁に充電する必要があり、結果としてバッテリー寿命を縮めてしまう。CATLはここに目をつけた。

「ハイブリッド車のドライバーは、より多くの電気を使い、燃料消費を減らしたいと考えていますが、現在の(PHEV)モデルはしばしば(エンジンを)優先しています。当社の新しいバッテリーは、電気航続距離を延ばし、充電の高速化を実現することで、この問題に対処しています」とCATLの広報担当者は述べた。

バッテリーは摂氏-40度の低温でも作動し、-30度でも充電機能を維持できる。CATLによると、-20度でも通常の温度と変わらない充電能力が期待できるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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