【惜しい! 無念!】 Q45、180SXにラシーン! 一代限りで終わってしまった名車たち:日産編

公開 : 2024.10.26 07:05

ティーダ(2004~2012年)

ティーダはどこか欧州車の匂いがする。もしくは世界戦略車かと思えるような、堂々たる雰囲気が感じられる。一代限りで終了した日産車をリストアップしていて、当初はティーダがそれに該当するとは思わず、車種一覧からドロップさせてしまったほどだ。

というのも、二代目、三代目ティーダは日本でこそ販売されなかったものの、海外では生産、販売されている。しかし日本国内においては、初代モデル(C11型)のみで販売を終了した。

日産ティーダ(2004~2012年)
日産ティーダ(2004~2012年)    日産

ティーダは日本国内ではパルサーの後継車であるが、ルノーと共同開発したアライアンスBプラットフォームをベースにホイールベースを延長したものを使う。ボディは5ナンバーサイズ(全長4205×全幅1695×全高1535mm、ホイールベース2600mm)で、日本の道路事情を考慮しつつ、上級モデルに遜色ないゆとりある室内空間を実現した。

エンジンはルノーと共同開発した1.5L直4(HR15DE型/109ps)を搭載。2005年には同じく新開発の1.8L直4(MR18DE型/128ps)を追加設定。トランスミッションは4速ATまたはCVTだが、2008~2010年頃の一部グレードに6速MT車も存在した。

ルノーとのアライアンスを思うと、当時乗ってもルノー・テイストと思しき味はあった。ボディ剛性はしっかりとしており、シートもサイズが大きく柔らかく腰があり、ハンドリングも良好。二代目以降も見て乗ってみたかったクルマである。

ラシーン(1994~2000年)

1993年の東京モーターショーに参考出品した試作車が好評だったため、細部を煮詰めて1994年12月に市販化された『ラシーン』。Be-1やパオのような単発のパイクカー・シリーズと見るか、日産のレギュラーラインナップに新しい車種が加わったと見るか。つまり当企画の『一代限り』に当てはまるかどうか、だ。

嘘か誠か、筆者は二代目誕生の噂を聞いたことがある。そして6年間にわたりマイナーチェンジを実施しながら販売し続けた事実を鑑みて、この企画で紹介することにした。

日産ラシーン(1994~2000年)
日産ラシーン(1994~2000年)    日産

ラシーンのプラットフォームはサニー(B13型系)の4WD車と共通項が多い改良型。全車ビスカスカップリングを使ったフルタイム4WDだが、本格的なクロスカントリーカーではない。

パワートレインは当初、1.5L直4(GA15DE型/105ps)のみであったが、1997年には1.8L直4(SR18DE型/125ps)、続いて2.0L直4(SR20DE型/145ps)を追加設定。組み合わされるトランスミッションは、4速ATまたは5速MTだ。

ラシーンには特別仕様車が毎年のように企画、販売され、1998年にはスポーティモデルの『フォルザ』を追加設定するなど、さまざまなモデルが発売された。生産台数は7万台オーバーだが、よほどのラシーン・マニアでないと、モデル名や装備内容を正確に把握できないだろう。今でも中古市場で超人気の『一代限りの』モデルである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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