【詳細データテスト】マセラティMC20 しなやかでソフトなシャシー 十分速い 独特なスーパーカー

公開 : 2024.11.02 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

キャビンは、飾り気はないが目を引く。むしろ高貴で、しかもかすかながらモータースポーツの空気感を放っている。それと矛盾するようだが、乗降性はライバルたちよりいい。スリムなサイドシルや、比較的フラットな座面、バタフライドアの開口部の大きさなどによるものだ。

カーボンタブの、広くてドーム状の開口部越しに得られる前方視界も良好。クーペではほぼ皆無な後方視界は、シエロではやや改善されている。これは、フラットなエンジンカバーと、センターディスプレイのタッチ操作で開閉できる垂直に立ったリアウインドウのおかげだ。もっとも、クーペもシエロも、デジタルルームミラーを装備しているが。

カーボンとアルカンターラを多用し、シンプルながらレーシーな雰囲気のキャビン。シフトパドルは、ステアリングホイールのスイッチと同じくアルファ・ロメオとの共通性があるものの、フィールはすばらしい。
カーボンとアルカンターラを多用し、シンプルながらレーシーな雰囲気のキャビン。シフトパドルは、ステアリングホイールのスイッチと同じくアルファ・ロメオとの共通性があるものの、フィールはすばらしい。

スポーツカーレースのマシン的なムードを強めているのが、ふんだんに使われた高価なカーボントリムやアルカンターラ、そしてセンターコンソールとリムの太いステアリングホイールに設置された機能的なスイッチ類だ。

収納については、イタリアンスーパーカーの例に漏れず、後付け感が強い。カップホルダーはひとつで、小物入れは古銭入れやキーくらいしか入らない。リアの荷室は容量100Lで、浅いが、エルメネジルド・ゼニア製の専用ラゲッジが用意されている。

記事に関わった人々

  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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