【日本仕様で発車オーライ】ヒョンデ・エレクシティ・タウン、仕上がりはいかに?

公開 : 2024.10.30 07:05

操作性の良さを感じさせる運転席

ヒョンデらしいと思ったのは運転席で、メーターはフルデジタル、センターには12.3インチのマルチインフォメーションディスプレイを装備。乗降扉の近くにカメラを備え、その映像をメーターで確認できるなど、先進的安全装備も実現している。

加えてドライバーを囲むようなインパネ形状なのでスイッチが操作しやすそうであり、ドライブセレクターをレバーではなくインパネ中央のボタンとしたのは、慣れが必要かもしれないが、車いす対応などのために運転席から離れることが多いことを考えれば、出入りしやすいこの配置のほうが良いのではないかと思った。

インパネはドライバーを囲むような形状で、メーターはフルデジタル、センターには12.3インチのマルチインフォメーションディスプレイを装備。
インパネはドライバーを囲むような形状で、メーターはフルデジタル、センターには12.3インチのマルチインフォメーションディスプレイを装備。    森口将之

担当者に聞いたところ、車内装備はバス会社の意向によって変わるとのこと。これは日本製バスも同じであるが、外国車とはいえ隣国生まれなので、スピーディーな対応を期待したいところだ。

駆動用バッテリーは屋根の上に搭載する。こちらは多くの電気バスが採用する方式だ。バッテリー容量は145kWhで、満充電での航続距離は233km、最高速度は80km/hとなっている。いずれも路線バスとして使うなら十分なスペックだろう。もちろん充電は日本の急速充電規格(チャデモ)対応になっている。

日本製のバスが、日本での使用を前提に開発されたのに対し、ヒョンデは乗用車もそうだが、国内市場に限りがあるので、輸出を前提としたバスづくりを進めてきた。僕もフィンランドなどで、欧州製に混じって普通に使われているヒョンデのバスを見たことがある。それが隣国でありながらひと味違うと思わせる理由かもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

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