過激スタイルの “新型クロスオーバー” 欧州発表 アバルト最強「600e」約835万円から 280馬力、最高速度200km/h 

公開 : 2024.11.01 06:25

アバルトが新型「600e」を欧州で正式発表した。フィアット600eの高性能版であり、最高出力280psのモーターとトルセン式LSDで0-100km/h加速5.85秒を達成する。

フィアットの高性能版 英国では11月より注文受付開始

イタリアの自動車ブランドであるアバルトは10月28日、最高出力280psを誇る新型EV「600e」を欧州で正式発表した。来月より注文受付を開始し、英国価格は4万1975ポンド(約835万円)から。

フィアット600eの高性能バージョンであり、兄弟ブランドのアルファ・ロメオジュニアと同じシングルモーター・パワートレインを採用している。

アバルト600e
アバルト600e

最上位グレードの「スコーピオニッシマ(Scorpionissima)」は、最高出力280psと最大トルク35.1kg-mを発生する前輪駆動モデルで、0-100km/h加速を5.85秒で駆け抜ける。トルセン式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルも備えている。

標準グレードの最高出力は240psで、0-100km/h加速は6.2秒となる。

最高速度は両車とも200km/hだが、公道走行に特化したドライビングモード「ツーリスモ」では150km/hに制限される。

アバルト600eは、ベースのフィアット600eと同じ54kWhのバッテリーを使用しているが、サーキット走行時のディレーティング(バッテリーの内部温度によって出力が低下すること)を最小限に抑えるため、冷却能力がアップグレードされている。

出力向上と、ワイドでハイグリップのミシュラン・パイロットスポーツEVタイヤの装着により、航続距離は334km(欧州WLTPサイクル)と、フィアット600eに比べて約70kmの短縮となる。

また、380mm径のアルコン製大型ブレーキディスクと、ステランティス・モータースポーツが開発したスポーティなサスペンション・セットアップが採用されている。

スタイリングとしては、よりアグレッシブなボディキット、大型のフロントグリル、リアスポイラー、20インチホイールが特徴となる。

インテリアでは、フロントにサベルト製バケットシートが装備され、ダッシュボードにはアバルト専用のグラフィックが描かれている。

10.25インチのインフォテインメント・タッチスクリーンと7.0インチのデジタル・インストゥルメント・パネルはフィアット600eから受け継いだものだが、アバルト専用のビジュアルが採用され、Gフォースメーターなどの機能も追加されている。

小型のアバルト500eと同様、600eにも従来の高性能車のガソリンエンジン音を模した外部スピーカーが装備される。最上位のスコーピオニッシマ専用装備だが、アバルトによると、80km/hから車速が上がるにつれてフェードアウトする深いトーンを発するという。

英国での納車は来年3月から開始される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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