【限られた時間でもわかった究極の片鱗】 第4世代ベントレー・コンチネンタルGTスピードに初試乗!

公開 : 2024.10.31 11:45

第4世代となったベントレー・コンチネンタルGTスピードに、限られた時間ながら、クローズドコースで試乗することができました。究極のグランドツアラーの片鱗を感じたという、佐藤久実がレポートします。

3つのデザインエレメント

第4世代となる新型ベントレー・コンチネンタルGTスピードは、ベントレーの伝統となる3つのデザインエレメントを継承している。

まずはサイドビューの『眠れる野獣』のようなフォルム。リラックスした雰囲気が漂いながらリアフェンダーはマッシブ。フロントは『サラブレッドの美しい立ち姿』からインスピレーションを得たデザイン。そして『エンドレスボンネット』は、ボンネットからボディへと水平に伸びる力強いラインがハイパフォーマンスを想像させる。

新型ベントレー・コンチネンタルGTスピード。サイドビューは眠れる野獣のようなフォルム。
新型ベントレー・コンチネンタルGTスピード。サイドビューは眠れる野獣のようなフォルム。    ベントレー

20年の歴史の中でもっとも大胆な変更は、シングルヘッドライトの採用だ。アイブロウを思わせる水平のラインがあり、クリスタルカットガラスのようなデザインがダイヤモンドのごとく煌めき、LEDと相まって強い目力を発揮している。

新型コンチネンタルGTスピード開発におけるメインプロジェクトは、パワートレイン刷新、ソフトウェア、テクノロジーの3点。中でも『ウルトラパフォーマンスハイブリッド』は完全新設計のパワートレインだ。

600ps/800Nm(81.6kg-m)を発揮する4LV8エンジンに、190psの電気モーターが組み合わされ、システム最高出力は782ps、最大トルクは1000Nm(102kg-m)。0-100km加速3.2秒、最高速度は335km/hに達する。そしてクリーンな燃焼により、排ガスも大幅に低減された。また、25.9kWのバッテリーはリアアクスル後方に搭載しており、前後重要配分はベントレー初のフロント49:リア51という理想的なものになっている。

高い静粛性がより際立つ

コンチネンタルGTスピードの試乗ステージとなったのは、千葉県にあるプレミアムな会員制サーキット、『THE MAGARIGAWA CLUB』。全長3.5kmのコースに22のコーナーがレイアウトされる。アップダウンに富み、先の見えないブラインドコーナーも多い。

ピットでスタートボタンを押しても、静粛性は保ったままだ。デフォルトの『ベントレー・モード』は、バッテリーの残量がある限りスタートボタンを押してもエンジンがかからずEVでの発進となるため、時間や場所など周囲に気兼ねなく出かけられる。ちなみに電気のみの航続距離は81km。電動ならではのスムーズな加速で走り出すと、コンチネンタルGTの高い静粛性がより際立つ。

クローズドコースで試乗。会場には4ドアのフライングスパー・スピードも。
クローズドコースで試乗。会場には4ドアのフライングスパー・スピードも。    ベントレー

いくつかコーナーを抜け、ストレートに出るが、ここでも穏やかにアクセルを踏み込むと、140km/hまでエンジンがかかることなく無音のまま滑らかにスピードが乗っていく。

2周目は、スポーツモードに切り替える。するとエンジンがかかり、野太いエギゾーストサウンドが轟く。とはいえ、決してラグジュアリーからスポーツへ切り替わるのではなく、ラグジュアリーな雰囲気は保ちつつ、スポーティさが増した走りを見せる。どちらのモードも言うに及ばず快適な乗り心地を披露する。注目はパワートレインだけでなく、シャシーも新設計の『ベントレー・パフォーマンスアクティブシャシー』が採用されている点だろう。

具体的には、エアスプリングとデュアルバルブダンパーシステムに加え、アクティブオールホイールドライブ、エレクトロニックリミテッドスリップデファレンシャル、オールホイールステアリング、トルクベクタリング(前後と左右)、アクティブアンチロールシステムであるベントレー・ライド、そしてESCが装備される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    佐藤久実

    Kumi Sato

    大学在学中にレースデビューし、耐久レースをメインに活動。ニュルブルクリンク24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースで入賞を果たす。モータースポーツで培ったスキルをベースにインストラクターとしても活動。東海大学工学部動力機械工学科非常勤講師、芝浦工業大学特別講師の経験あり。日本カー・オブ・ザ・イヤー、World Car Awards、日本ボート・オブ・ザ・イヤーの選考委員も務める。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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